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DAZN観戦 2019年J1第9節 清水エスパルスvs浦和レッズ

2019-04-30 23:46:48 | サッカー視聴記(2020年以前)

今年これまでのJ1で最も印象に残っているシーンといえば、第7節の磐田vs清水の試合終了の瞬間。
清水DF・立田が泣き崩れた姿を挙げますね。

清水の選手構成は非常に生え抜きが多いという印象で、現在18人を数えます(レンタルバックしてきた選手も含む)。
その内訳はユース出身が9人、高校卒4人、大学卒4人。
そして金子が「JFAアカデミー福島」出身という特殊系の経緯。
これに加えて2種登録の選手も大量5人が在籍している、まさに生え抜き王国。

この中からFWの北川航也が日本代表に選ばれるなど名を挙げています(まだ定着には至ってませんが)。
かつては岡崎慎司が6年間在籍していた事でも有名で(清水では42ゴール)、「俺達の町から代表選手を輩出する」夢を追い掛けられるクラブが清水なのでしょう。

さて2017年にユースから昇格して入団した立田ですが、リーグ戦での活躍は翌2018年。
長身故に本職はセンターバックですが、この年就任したヤン・ヨンソン監督の下右サイドバックでの出場を重ねます。
前年は最終節でJ1残留を決めるという体たらくで、オフシーズンには守備を固める方策が目立ちました。
その具体的な案は、前年在籍のフレイレ(現湘南)に加え、かつて広島・鹿島に在籍していたファンソッコを獲得。この2人の助っ人でCBを強固なものにするというものでした。
そしてシステムは4バックから動く事は殆ど無かったため、立田はSBに回されたのでしょう。
それでもこの年、早速2節でプロ初得点を記録するなど存在感を見せます。
クラブと並行してU21の日本代表戦にも出場を重ねますが、この時はCB(ただし3バック)。
なんとも奇妙な両者のズレを経験しつつも、上々のスタートになった事でしょう(清水では25試合出場)。

しかし一転苦難の道になったのが今年。
フレイレが湘南に移籍したため、清水でも本職のCBとして期待を背負う事となった立田。しかも若年ながら副キャプテンにも任ぜられているとの事。
開幕から勝てないチームの責を背負う事となってしまいます。
特に2節のガンバ大阪戦で4失点、3節の札幌戦で5失点という具合に守備が崩壊し、6節まで未勝利(2分4敗)で完全に出遅れた清水。
6節の東京戦は先制したもの後半に2失点で逆転負けと、負のスパイラルに嵌る直前まで来ていたのは傍らから見ていても伺えました。
次も勝てなければ降格一直線になってしまうのでは、という恐怖が。

そうした苦労を経ての7節・静岡ダービーでの初勝利、喜びという感情だけでは言い表せない崇高な涙だったのでしょう。
思わず自分ももらい泣きしてしまいました。
(まあFWの助っ人ドウグラスの離脱も大きな要因なのですが)

生え抜き王国なクラブだからこそ、義理人情の厚さ・浪花節のような話が生きてくる。
8節にも石毛の故障離脱に即して、選手全員が石毛の姿がプリントされたTシャツを着ての入場を敢行。
決勝ゴールを挙げた北川がベンチに走り、掛けられていた石毛のユニフォームを掲げるという感動的な場面を築きました。
そして連勝と上げ潮ムードで迎えたこの一戦。

一方の浦和はというと、かつての絶頂期(2006~2007年辺り)から幾ばくか経ち、成績的には低迷期を経て普通の強豪チームの枠組みに落ち着いてきたという印象。
しかし上記のような浪花節とは正反対の路線を進んでいるのは、やはり絶頂期の名残でしょうか。
常にタイトル獲得を目指し、アジアから世界への挑戦を最終目標とする。

それ故2017年途中まで5年半率いていたミハイロ・ペトロヴィッチ監督(以下ミシャ、現札幌監督)時代の浦和は、成績面では着実に上向きを見せておりながら、内容的にはそんな浦和を覆う気質とはズレが生じていたという思いが拭えません。
2011年には残留争いに巻き込まれていたチームが、再び優勝を狙えるようになったのは紛れもなくミシャ氏の手腕によるものでしょう。
しかし肝心な所で優勝を逃し続けるという印象の悪さも目立っていました。
2014年はラスト3試合で首位の座をひっくり返され、2015年はチャンピオンシップで敗退。
そして2016年はチャンピオンシップで後1試合、負けなければ優勝という所までたどり着きながら後半に逆転を許し鹿島に優勝の座を渡してしまいました。

「攻撃的・ポゼッションサッカー」がミシャ氏の基本的信条ながら、タイトルを目指すためその理想を幾ばくか切り捨て、守備面の強化もある程度進めていた事でしょう。(噂に聞く「セットプレーの練習は殆どしていなかった」というのは非常に不可解ですが)
それ故彼の内面に潜む浪花節が肝心な所で顔を覗かせ、それが結果的に勝負師としての資質を鈍らせていたと推測します。上記のような大事な試合では特に。
ピッチの外では大変な人格者として有名で、放出された選手からも悪口を殆ど聞かないともいわれます。

そんなミシャ氏もチームを去り、紆余曲折を経て昨年途中からオズワルド・オリヴェイラ氏が監督の座に就いている浦和。
ここまで8試合で得点6という攻撃陣の低調ぶりが目立ちながら、4勝2分2敗で6位と上々の成績を残しているのは彼の成せる業なのか。
並行して戦っているACLでは、シュート数0対20というサンドバック状態ながらスコアレスドローで勝ち点1をもぎ取るという試合も披露しています。
「どんなに内容が低調でも勝ち点を奪う、そして最後にタイトルを獲る」という思考が窺える今季の浦和にかつての、いや本来の姿が戻りつつあると感じています。

こうした逆の気質をもったチーム同士の戦い。 
前置きが長くなり過ぎたので、ここからは箇条書き。

・守備時は清水は4-4-2、浦和は5-3-2のブロック。
・しかし両者とも最終ラインは高く、守備間のスペースは消えており中々チャンスを作れない。
・スペースが無いから、往々にして最終ラインでパスを回したところをプレスをかけられロングフィードに頼る場面が続出。
・ないしは強引にスルーパスを出してオフサイドを取られるか。
・浦和のビルドアップにプレスをかける清水。
・ウイングバックにボールが渡ると、すかさずサイドハーフの金子・中村が果敢に距離を詰める。
・浦和は左WBの山中を突破口にしたいも、金子がすぐ詰めて来るので中々ボールを前に運べない。
・10分頃から、青木に加えて長澤・エヴェルトンが下りてきてビルドアップを助ける場面が多くなる。
・それに加えて興梠の落としを使うも、中々シュートまで持ち込めない浦和。
・一方清水の攻め。22分金子がバイタルで受け鄭大世にパス、相手のカットに合うも六平が拾ってエリア内に進入、ここで山中に倒されるが審判の笛は無し。
・その後は良い所までいくが、大事な所でパスがずれる。
・35分には山中のバックパスを奪ってのカウンター、金子と北川がパス交換しつつ前進し北川がクロス、鄭大世にはわずかに合わず
・浦和は山中の浮きっぷりがなんとも。
・それなりにチャンスは作るものの、守備面で穴を作る場面が多々。さらに自身にボールが回って来ないと苛立ちを露にする一面も。前年のマルティノスか?
・前半押し気味だった清水、後半頭もそのままペースを掴む。
・中盤のパス回しで好機を作り、2度ほど北川がチャンスエリアに進入する。
・それでも決定機はロングフィードから。51分立田がエリア内にフィード、これを鄭大世がトラップしてマークを外しシュート。これはGK西川が足でセーブ!
・その一方で清水のプレスは甘くなった印象。
・中盤で浦和がゲームを組み立て始め、エヴェルトンや武藤がミドルシュートを撃てる場面も。
・60分に清水はドウグラスが鄭大世と交代で出場。ドウグラスはまだ本調子には至らず、これがプレスが緩くなったと感じた要因か。
・それでも64分、ゴールキックから松原ヘッド→浦和DFの跳ね返しをドウグラスが拾い北川にパス。
北川は金子へのパスを選択するも、合わずにチャンスを逃す。
・前半同様敵陣に進入した後のパスがずれ、チャンスを逃し続ける清水。
・カウンターから左コーナーキックを得た浦和。キッカー山中のクロスは跳ね返されるも、長澤が拾ったのちもう一度山中がクロス。これを興梠がワントラップから難しい体制でボレー!GK六反が何とか弾くも、これをマウリシオが詰めてゴールイン。
・この直前に浦和は武藤→汰木に交代。
・先制され攻勢に出る清水。77分にはドウグラスのシュートを浦和DF槙野がブロック。手に当たったように見えるも反則は無し。
・その後浦和は興梠のポストプレイから青木が右サイドへパス、清水陣内奥深くまでボールを運んだものの汰木は暫くキープしたのちバックパス。無理はしないリアリストぶりを発揮、当然といえば当然だが。
・これを見た清水、ボランチのヘナト・アウグストを前線に上げパワープレイに移行。
・それでもDFのファンソッコ・立田はロングボールを上げるかどうか迷う場面が散見。
・しかしアディショナルタイムに突入、割り切ってロングフィードを上げ続ける。
・そして立田のフィードから、ドウグラスが落としたボールが滝(北川と交代で出場)の足元へ。滝は迷いなくシュートを撃ちGK西川を抜いたもののクロスバー直撃!こぼれ球も同じく途中出場の楠神がシュート体制にいくも撃てず、最大のチャンスを逃した清水。
・かと思いきや、汰木がボールを拾って浦和がカウンター開始。あれよあれよとボールが繋がり、最後はエリア内で汰木→興梠のパス、飛び出したGK六反をあざ笑うかのような興梠の浮かせたシュートで締める。決定的な2点目を挙げ、キックオフ後すぐに試合終了。

こうして0-2で浦和が勝利したこの試合。
リーグ戦では初めて複数点差で勝利した浦和、今までは内容が低調だった(この日もか?)だけに、これに内容が加わってくれば非常に恐ろしい存在になりそうです。

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DAZN観戦 2019年J2リーグ第11節 アビスパ福岡vsモンテディオ山形

2019-04-29 19:24:34 | サッカー視聴記(2020年以前)

J2の組織が出来る前にJリーグに参入した中で最もJ2生活が長いチームである福岡。
前監督の井原正巳氏(現柏コーチ)によるJ1定着を目指す戦いは前年でひとまず終わり。

ドゥドゥ(現甲府)、ユ・インス(現FC東京)、レオミネイロ(現岡山)、山瀬功治(現愛媛)、駒野友一(現今治)、枝村匠馬(現栃木)といった助っ人・ベテランが一斉に移籍していったチーム、一年間運営していくためにも新たな戦力が必要となるシーズン。
ユースから桑原・北島を加入させたのもそのためでしょうが、目玉となっているのは高卒で入団(青森山田高校から)した三國ケネディエブスでしょう。
身長192cmとセンターバック(以下CB)を務めあげるには十分すぎるポテンシャルですが、経験という点は今年から積み上げていかなければなりません。

現在日本代表のCBとして確固たる地位を築き始めているのが富安健洋ですが、下積み時代から福岡で経験を積んで現在海外クラブ(ベルギー)で躍動しています。
三國にはこの富安の再現を期待している節が窺え、今季開幕から出場を重ねており前途は今の所洋々でしょう。

富安・三國の台頭によって「育てるクラブ」として一応の成果は上げている近年ですが、問題はそこからどうするかというもの。
2人ともDFの選手であり、その他のポジションは手つかずの印象が強い。
上記の戦力流出もあって、非常に手薄な陣容となってしまっているボランチ以前のポジションに新監督のファビオ・ペッキア氏も頭を悩ませている、というのが今季のこれまでの印象です。

この日のスタメンは4-2-3-1のフォーメーションで、ボランチ2人には鈴木・城後を起用。
鈴木は前年からずっとボランチで出場しており無問題ですが、城後は元々点取り屋の選手(前年は6ゴール)。
前年も何試合かボランチでの出場はありましたが、今季はそれが主戦場となっています。
しかしこの城後、プロ入り以来ずっと福岡でプレーしており今季で15年目というキャリアの選手なので「チームのためなら何処でもやる」という献身性を利用したペッキア監督の起用法なのかもしれません。
実際、山形の前線へのスルーパスに身を挺して対応する場面が目立ちました。
彼のこのチームへの心情を利用しつつ、前のポジションを整理したいという意図は田邊・前川らの抜擢でまあまあ解る気がします。

一方の山形は、「J2オリジナル10」の中で最もJ1経験が少ないチーム。
その数少ないJ1での戦いも、小林伸二(現北九州監督)・石崎信弘(現藤枝監督)両氏による所謂「昇格請負監督」によって齎されたものであり山形独自の戦いが傍らから今一つ見えて来ない。
現在監督を務める木山隆之氏は、J2での監督経験豊富な人物。
昇格プレーオフも千葉・愛媛で計2度経験するなど昇格にもって来いともいえるでしょう。

大卒からの生え抜きであるDF山田(この日はベンチスタート)がキャプテンを務め、ボランチに居るのは大ベテランで元日本代表の本田拓也。2年前に清水から移籍してきた人物で、過去2年はキャプテンでもありました。
同じく移籍組であるFW阪野(元浦和で前愛媛)・大槻(前神戸)が半々ぐらいの割合でレギュラーとして出場し、これに助っ人のジェフェルソン・バイアーノ(前水戸)を組み合わせて前線の形を作る。
そんなチームの骨格は出来つつある、という事が現在の順位(10節終了時で4位)にも表れているのだと思います。
後は2節以降フル出場を続けている中村のような、中堅・若手から中心選手が現れるのを待つのみか。

この日は序盤から最前線のバイアーノを中心にハイプレスを敢行し、今季の福岡の思考(というよりペッキア監督の思考?)であるポゼッションサッカーを機能させません。
中盤でのパスカット・パスミスが目立ったため、プレスを嫌がりロングフィードに頼らざるを得ない。
福岡の最前線であるヤンドンヒョンはポストプレイに関しては今一つの印象で、収め所にはもっぱら松田力(セレッソ大阪・松田陸の双子の弟)がカバーに入り攻めの形を作らんとします。
これに田邊が絡んだ時はいい形を作れましたが、それをカバーするサイドバックの上がりも今一つ。
パサーである鈴木も、セットプレーでのキッカーとしては活躍が目立つもそれ以上の存在感は中々示せず、攻めの形が出来上がるにはまだまだ時間がかかるという印象だった福岡。

逆に山形の攻撃は良い形。
中村がボランチの位置でパスを散らし、これにウイングバックのホドルフォと三鬼が攻撃に絡んでくる。シャドーの井出・坂元も(時にはバイアーノも)加わって分厚いサイド攻撃を展開しします。
中村が積極的にボールタッチする事によって、たまにボールを持つベテラン・本田のスルーパス一発も生きてきます。
そんな訳で前半30分以降は完全な山形ペースでゲームは展開します。

33分にはDF松本のフィードを受けた井出が福岡・實藤をかわしてドリブルし中央へスルーパス、バイアーノが抜け出したところを篠原がバックチャージし反則(イエロー貰う)。
この直接フリーキックは井出が蹴ったもののGKセランテスがナイスセーブし得点ならず。
37分は本田のスルーパスを左サイドで受けたホドルフォが速いクロスを上げ、中に人数は多かったものの誰にも合わず。
38分もホドルフォのクロス、低いボールで坂元がエリア内で収め溜めたのち井出にパス、シュートするも当たりは弱くGKセランテスがキャッチ。
アディショナルタイムには栗山のロングフィードを三鬼が落とし本田が持ち、エリア内右へと走り込む井出にスルーパスを送り、ゴールライン間際で井出がダイレクトで折り返しすとバイアーノがシュート。
惜しくも實藤のブロック・GKセランテスに阻まれそのまま前半はスコアレスで終了しますが、辛うじて福岡が持ちこたえているという印象は残りました。

悪い流れを変えようと、後半頭から福岡は積極的に動きます。
まずは鈴木を一列前に上げて4-1-4-1のような形にシフトチェンジすると、後半10分には左サイドバックの輪湖が早くも交代。石原を投入するとともに3バックにシフト、左ウイングバックに入ります(實藤が右CB、松田が右WBにシフト)。
そして20分には城後が前川と交代し、鈴木がボランチに戻るという具合に微妙ですが目まぐるしく変化します。

石原が高めの位置で躍動し、そこそこチャンスを作れるようになった福岡。
後半13分には敵陣内で城後→田邊→ヤンドンヒョンとボールを回し左サイドを上がる石原へパス、そのまま抜け出してクロスを上げるもGK櫛引がキャッチ。
15分、再び左サイドにパスを送ったのは鈴木。これを石原自ら大きく前に蹴りだし、自ら走り込んで左サイド奥でキープしようとしますが並走した三鬼に奪われます。

しかしそれでも全体の山形ペースはあまり変わらず。
16分、左サイドで井出のパスを受けたバイアーノがエリア内へ切れ込みバックパス、中村がワントラップしてミドルシュート(枠の僅か上)。
22分、フリーキックのクロスからのこぼれ球を中村が直接左足でミドル(大きく枠上を外れる)。
25分には右サイドから本田→坂元→熊本→南(井出と交代で出場)と繋いでエリア内へ、この南がバックパスして三度中村がミドルを撃つも福岡・實藤がブロックしてゴールならず。
積極的に中村がシュートを放つ展開になります。

28分にアクシデント発生。
福岡・木戸がオフサイドを取られた後のGK櫛引によるフリーキック。
これがあろう事か、後ろを向いていたヤンドンヒョンの後頭部に当たり倒れてしまいます。
オフサイドの判定に納得いっていない表情を見せていたヤンドンヒョン、主審の方を見ていたのが仇になってしまった。
押され気味の福岡の流れの悪さを現したかのようにも映りました。

その4分後に何とかプレーに復帰したヤンドンヒョンですが、後半38分にはフェリクス・ミコルタと交代。
皮肉にもここから福岡は流れを掴み始めます。
後半40分には山形・松本のクリアミスから木戸が抜け出しますがシュートは打てず。
直後のスローインから左サイドでミコルタがボールキープ、山形DFに囲まれつつも前川→石原と繋いで石原がクロス、これに實藤がファーサイドでヘディングシュートもホドルフォのブロックに阻まれます。
42分にはクリアボールを三國がヘッドで繋ぎ石原→木戸→鈴木と渡りエリア内左へ、鈴木はクロスと思わせてシュートを選択しますがGK櫛引がセーブ。

試合終了間際での好機の連続に次第に前掛かりになっていく福岡、しかしここに落とし穴が。
石原のクロスがクリアされ、そのボールをバイアーノが右サイドで持ち三國を引き付け溜めを作ると、福岡の帰陣より先に本田・南が福岡陣内になだれ込みます。
バイアーノは余裕をもって本田にパスを送り、そのまま2対1という決定機に。
本田から受けた南がエリア内に進入し左足で強烈なシュート、GKセランテスがセーブするもそのままゴールに吸い込まれ、劇的な先制ゴールとなりました。

試合はこのまま0-1で山形が勝利。11節終了時で山形は2位にアップしました。
この日は阪野は出場無し、大槻・山田が後半途中から短い時間出場しただけとベテラン勢はあまり目立たず。
逆に中村をはじめ坂元・井出・南といった若手・中堅が要所で躍動し、非常にバランスの良い陣容になっている印象を受けました。

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DAZN観戦 2019年J2リーグ第10節 ファジアーノ岡山vs徳島ヴォルティス

2019-04-24 16:36:07 | サッカー視聴記(2020年以前)

プライドオブ中四国と釘打たれて行われた一種のダービーマッチ。
香川県・瀬戸内海を挟んで近隣にある地域同士の戦い。

2014年に1年間J1を経験した徳島。
過去2年はプレーオフ圏内に届きそうで届かないシーズンが続いており、今季は4年目となるリカルド・ロドリゲス監督も正念場でしょう。
しかし今季は選手の入れ替えが特に多く、新加入の選手は何と17人を数えます。
前年好調期の両翼を担ったピーター・ウタカ(現甲府)、ダビド・バラルはじめ杉本(現松本)、前川(現福岡)、井筒、藤原(現栃木)らが移籍・退団。
代わりに入ったのが前長崎のヨルディ・バイスに、日本人選手も藤田・清武功暉(セレッソ大阪の清武弘嗣の弟)・野村・福岡・田向と他クラブの選手獲得に活路を見出しています。
それでも連携を作るのは時間がかかるのが常、開幕から一進一退の成績を続けている現状。
2018年シーズン前にも、前年チーム得点王の渡が広島に移籍するなどチーム編成に苦労している印象を受けます。

一方のホーム・岡山も2016年にプレーオフ進出を果たしたものの、その後はやや停滞。
10年のスパンで見ればJ参入初年度の最下位から現状確中位をキープできるまでになり戦う集団になってきたという印象ですが、今後はどうなるか全くわからない。
2018年シーズン前には19人の新加入選手(退団も19人)。
その影響か前年の順位は15位と落ち込み、監督も交代となりました(長澤徹氏→有馬賢二氏)。
去年の調子いい時はゴラッソ連発していたのが印象深かったですが、その元気を最終順位にも反映させたい所でしょう。

↓去年のゴラッソがよく現れた試合


岡山がプレーオフ進出を果たした時のストライカーだった押谷が年月を経て現在徳島に在籍、そしてこの日古巣対決に挑むという辺り非情ぶりを感じずにはいられません。
(押谷はプレーオフ敗戦後名古屋に移籍、その後前年途中に徳島に移籍)

さて試合内容。
岡山は前節に上田が負傷し長期離脱を余儀なくされ、三村・武田将平が中盤でスタメン。
徳島は中盤の要である野村をベンチに置きます。
さすがにもう一人の要である岩尾は外せませんが、福岡・渡井・狩野が何試合ぶりかのスタメンと入れ替え。

試合開始直後は、徳島が連携不十分なのかパスミスを連発。
そこを岡山が突いて、反則受けてのフリーキックなりストライカーのイヨンジェがシュートなりとチャンスを作ります。

しかし岡山のターンは終わり、徳島が反撃に出ると6分には狩野→押谷→清武と繋いでエリア内へ進入。
この清武を岡山・廣木が倒してしまいPKを獲得します。
倒された清武がキッカーを務め、落ち着いてキーパーの逆を突き先制。

これで落ち着いたと思われた徳島ですが、13分には中心選手の岩尾がパスミス。(その前の内田航平のパスが雑過ぎたのも一因ですが)
イヨンジェにかっさらわれると、キーパーと一対一にまで持っていかれてシュート。
GK梶川が止めて難を逃れましたが、バタバタした印象を受けた序盤の徳島の出来。

その後は一進一退の攻防。
ボールキープという点では徳島が上回るも、岡山はそのパス回しに中盤の選手が対抗します。
武田将・仲間・関戸が果敢に守備をし、容易にパスを回させません。
それでも押谷のポストプレイで攻撃を組み立てるなどした徳島、次第に押し気味の展開になっていきます。
23分には押谷が岡山・椋原からボール奪取し、細かなパス回しから最後は渡井がシュート。
26分は右サイドから藤田・狩野がボールを繋ぎ、内田航がドリブル突破しクロスを上げて押谷のシュート。

岡山のターンが回ってきたのは前半30分からで、やはり中盤での関戸のインターセプトから。
徳島のパス回しを寸断できたこのプレーの後は次第に攻撃を組み立てられるようになり、それと並行してDFからの縦パス一本という形も生きてきます。
33分にDFのヘディングからイヨンジェが抜け、ヘッドで繋いで仲間がシュートするも徳島DFヨルディ・バイス(以下バイス)がブロック。
37分にはGKのフィードをイヨンジェが徳島DFと競り合い、こぼれ球を仲間が落として武田将→椋原と繋ぎ右サイドからクロスが上がるも繋がらず。
41分には徳島陣内右サイドでイヨンジェと徳島DF・福岡がデュエル、ボールを奪取するとそのまま中に入ってシュート。

攻勢を強めていく岡山、それが実ったのは前半アディショナルタイムでした。
スローインを右サイド奥で受けた仲間、徳島DF・バイスを引き付けつつ関戸に渡します。
さらにバイスが食いついてきた所、関戸のバックパスから田中がダイレクトで縦パスしエリア内の仲間へ。
仲間は三村に落とすとともにエリア右に走り三村からのパスを受け、切り返してDFをかわしつつ中にパス。
走り込んでいたストライカー・イヨンジェがボレー一閃、ゴールに突き刺しました。
相手DFの中心選手(バイス)をブロックから剥がすパスワークからの見事な同点ゴールでした。
それと同時に前半終了。

後半、岡山は頭からレオミネイロを投入。三村と交代させ、イヨンジェと2トップを組ませます。
これまでJ2通算3シーズンで25ゴールを記録しているレオミネイロ、てっきりジョーカーで勝負手と思っていましたがそのプレーぶりは印象とは大分違いました。(実際前年福岡ではそんな起用法だった)
実際に岡山のチャンスでプレーに絡むことは絡むのですが、攻撃面では球離れが悪く強引に突破しようとしては奪われる場面が目立ちました。
むしろ活躍したのは守備面。執拗に前線からプレスをかけまくり、徳島最終ラインを脅かし続けます。
これは岡山としては大助かりで、特に彼の守備意識の高さが窺えたのが後半20分のシーン。
武田将からのパスを目の前で徳島・内田航にカットされます。そして内田は岩尾にパスを送るとともに自身も前線へ。
するとレオミネイロはディフェンスに加わり必死にボールを追い回し、右サイドで狩野から内田がボールを受けた所をカットし徳島の攻撃を終わらせました。
途中足を痛める場面もありましたが、それでも後半アディショナルタイムに交代するまで必死に走り回った彼の姿に感動すら覚えました。

それでもポゼッション型の徳島、後半もパスワークの手を緩めず。
最も惜しかったのは後半18分ですかね。
押谷のポストプレイから福岡がドリブルで抜け出し、左サイドからライナー性のクロス。
中の清武にはわずかに合わず、岡山DF・チェジョンウォンがクリア。
後は22分、岩尾の左サイドへの散らしから岸本→シシーニョ(渡井と交代出場)と繋いでからの、エリア手前左からのシュート。
これもチェジョンウォンが頭でブロックして防ぎました。

徳島の攻撃をしのぐと、ピンチの後にチャンスあり。
後半30分に再三好守をみせたチェジョンウォンがロングフィード。これが徳島DFの背後を突きつつ仲間に渡り、エリア内でダイレクトシュート。
綺麗にゴールに突き刺さり岡山が逆転に成功します。

その後徳島は満を持して野村を投入(狩野と交代)。
35分以降は
長身のバイスをFWの位置に上げるとともに、左ウイングバックの岸本もFWに移して押谷と3トップを形成、パワープレイを展開します。

後半41分にはシシーニョのパスを受けた岸本がエリア内右へドリブルで進入、そのままシュートもサイドネット。
アディショナルタイム2分には左サイドからのロングスローのこぼれ球を岩尾がミドルシュート、これもブロックされて右サイドへこぼれます。
押谷がキープし藤田に繋ぎ、ライナーのクロスを送るとダイビングヘッドで岸本が飛び込みます。
しかしヘッドは無常にもバーの上に外れゴールならず。
岸本の奮闘空しく、そのまま試合終了となりました。

敗れた徳島は野村の出場が遅すぎたといえばそれまでですが、岡山に勝ち越しゴールを許す直前には交代準備をしていた徳島ベンチ。
そして勝ち越されたキックオフ直後の攻撃終了後に投入された訳ですが、その数分後にはパワープレイの体制に入ってしまい、彼の推進力を生かす展開にはならず何とも噛み合わせが悪く終始した印象です。
一方の岡山も、上田離脱直後の試合だけに中盤の展開は難儀した事と思います。
しかし中盤を5人と厚くして(レオミネイロ出場後は4人)彼の穴をカバーし徳島のポゼッションに対抗、勝利したのは何よりの良薬となったでしょう。

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DAZN観戦 2019年J1リーグ第8節 サンフレッチェ広島vsFC東京

2019-04-23 14:42:08 | サッカー視聴記(2020年以前)

固い、硬い、とにかく堅い。
そんな頂上決戦(現在)でありました。

ともに前年は後半尻すぼみになった2チーム。
ともに地味なストーブリーグに終始し不安視された2チーム。
そしてともに今季も上々の滑り出しを魅せた2チーム。

広島・東京ともに守備の堅さを売りにしているだけあって、序盤から守りあいが続きます。
広島は5-4-1、東京は4-4-2のブロックが基本形。

しかし攻撃に目をやると、広島はパスサッカーでボール支配したい。
東京は2トップを中心にカウンターを展開したい。
そんな思惑が守備面の細部に現れていました。

広島の方は、前半から積極的に前線がプレスをかける。
相手DFないしはGKに当てのないロングボールを蹴らせ、そのボールを回収し中盤の支配を目指す。
東京の中盤は今季活躍中の久保が欠場しているという点からも、狙いは合っているように思えました。
その狙い通りに序盤はロングボールが多かった東京。
だが久保が居なくても、東京の中盤はキャプテンの東をはじめ高萩・橋本・大森と実力者が揃い踏み。
彼らにブロックを作られては中盤でボールは回せるものの中央突破は困難を極め、両ウイングバックの柏・サロモンソンを中心に攻めるもディフェンスに阻まれ続けました。

一方の東京は、とにかく帰陣してブロックを敷くのが速い。
そして序盤こそ4-4-2のブロックでしたが、時間が進むにつれてディエゴ・オリヴェイラ(以下ディエゴ)1人を前線に残す余裕も魅せる。
彼を中心にしたカウンター狙いなのは明らかで、ボールキープに成功すれば永井がスピードでかき回す。
そんな展開を嫌がった広島が、警戒して後ろでボールを回すようになった段階でプレスの出番。
結局広島側も、当てのないロングボールを蹴らざるを得ない場面が目立ちました。
ただ広島の帰陣も遅くなく、いつもなら躍動するはずの攻撃的右サイドバック・室屋が今一つ目立たない。

前半の中盤以降は広島側のプレスも影をひそめるようになり、そのまま前半終了。

後半新たなカードを切ってきた(と思われる)のは東京でした。
左サイドハーフの位置付けだったが、東京ボールキープの際はしばしばポジションチェンジを見せます。
時には逆の右サイドまで出張ってはパス回しに勤しみますが、自らラストパスやシュートを狙ったりはしません。
そしてエリア内・サイドの裏に向けてパスを出すのは決まって高萩、という流れでチャンスを作ります。
それに従って室屋も前の方でボールを受ける事が出来るようになり、次第に押し気味となる東京。
表面上は高萩のパスからという定型の攻撃ながら、東が黒子となって中盤をかき回す事と室屋の上がりで崩す事で多彩なように見せている。そんな印象を受けました。

後半19分の高萩のパスから、永井がスルーしてエリア内のディエゴに繋がるかという場面。
辛うじて広島DF・佐々木がクリアしますが、その攻撃で強固な広島陣容にダメージを与えている節が窺えたこのシーンに得点の予感が漂います。
そして23分、永井に代えてジョーカーのジャエルを投入。

実ったのはその3分後でした。
FKから中盤でボールを回し、高萩が浮き球のパス。
これをジャエルが頭でさわってエリア内に入れると、広島DF・佐々木はクリアしきれず。
こぼれ球を大森が繋いでディエゴが後ろからシュート、見事に広島ゴールに突き刺しました。

先制された広島は攻めなければならない立場に。
点を取られる前に投入した皆川をターゲットにして東京ディフェンス陣を張り付けさせつつ、シャドーに下した渡(スタメン1トップだった)のドリブルという新たな形を見せます。
サイド一辺倒だったこれまでの攻めは多少改善され、川辺がバイタルエリアで受ける場面も幾つか見られます。

しかしやはり東京の守りは厚く川辺のシュートは1本のみ。
渡が組み立てに加わった事でサイドからのクロスも増えたものの、やはり得点には結びつかず。
敵陣内でのフリーキック2本・コーナーキック4本もいずれも不発でアディショナルタイムに突入。
東京はここでブロックの最後列も5枚にシフトする念の入れようを見せますが、最後に一瞬気を抜いたのか。
広島・東(後半38分から出場)のクロスをクリアするものの、このボールがあろう事かゴール正面でフリーの渡へ。
ワントラップしてボレーシュートを放った渡、ゴール左を襲いますがこれがポストに直撃。紙一重の差でゴールはなりませんでした。
東京にとってはまさに九死に一生を得たという表現がピッタリで、そのまま1-0で勝利。

今週のJ1は2点以上取ったチームは2つのみ(川崎と札幌)なってしまいました。
そんな訳で金曜開催のこのカード、「守り合いの試合」の号砲といえるでしょう。

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DAZN観戦 2019年J2リーグ第9節 ヴァンフォーレ甲府vs水戸ホーリーホック

2019-04-16 18:59:47 | サッカー視聴記(2020年以前)

2週間前とは打って変わって、メディアの前で観る甲府の試合。あれからも無敗を続けていて現在4勝4引分ですが、相手の水戸も同じ成績。
前日に首位の山形が引き分けたため、勝った方が首位に立てるという出来過ぎなシチュエーションの下行われたこの試合。

さて水戸はというと、2000年にJリーグ参入してからずっと昇格も降格も無く、順位的にもここ9年間ずっと二桁順位と低水準で安定しているチーム。
しかもJ1昇格に必要なJ1ライセンスはようやく昨年途中に「条件付き」という形で取得しました。(スタジアムの震災被害とか不運もあったけど)
ややもすると「俺達はずっとJ2で暮らせていければいいや」なんて揶揄されかねない歴史を歩んでいます。

しかし近年はハッキリとした形で上昇機運が感じられる水戸。
2017年は13戦連続無敗という記録を作り一時期は4位に居た事もありました。
昨年は前述のJ1ライセンスの件に加え、序盤は首位争いを繰り広げたりと奮闘。最終順位もここ9年で最高の10位まで持っていきました。
新たな練習場『アツマーレ』も完成し、基盤作りも着実に進んでいる節が窺えます。

2018年から就任している長谷部茂利監督の下、支配下選手にもハッキリとした特徴が見えます。
この日のスタメンのうち8人が実に2018年以降に入団・移籍してきた選手。
昨年は札幌から前・大宮から黒川・熊本から木村・仙台から茂木を獲得しては戦力に仕立て上げ、今季も松本から志知・大分から岸田を獲得。
大学からもンドカ・ボニフェイス(埼玉県出身のハーフ)や浅野・村田を加え、彼らを中心に陣容を築き上げ現在上位に居るのは見事の一言です。

さて試合の方は、前半開始早々に甲府がコーナーキックから先制。
クリアボールを小椋がエリア外からシュート、ポストに当たったボールを甲府選手が執拗に詰めに行って最後は横谷が押し込んだものでした。
その後も甲府の時間は続きますが、耐えしのいだ水戸は11分の前のミドルシュートを皮切りに攻勢に転じます。
この前がボランチの位置でボールを散らし、黒川・茂木・白井ら他の中盤メンツを生かすのが巧い。
これに加えて左サイドでは志知のオーバーラップを交え、何度もチャンスを作る水戸。

報われたのは26分。若きFWの村田がエリア内で倒れながらポストプレイ、これを黒川が走り込んで受けて成功させます。
村田の動きに釣られた甲府DFが慌てて対応するも、黒川はそのままドリブル突破でDFをかわしてそのままシュート。見事にネットに突き刺して同点に追いつきます。

その後の戦況はやや甲府有利に展開します。
甲府の持ち味である前線の外国人選手を中心にチャンスを作るサッカーを披露。
具体的にはピーター・ウタカのポストプレイにドゥドゥのドリブル突破が中心ですが、この日は攻め手を増やすとともに、弱点も増やしてしまう諸刃の策を採っていました。

甲府は1トップ・2シャドーに外国人選手3人を並べた事がこれまでとは違う戦術でした。
押しも押されぬ1トップであるピーター・ウタカに、彼がスタメンの際は黒子に徹するイメージがあるドゥドゥ。

そしてもう一人がジュニオール・バホスです。
昨年は点取り屋として活躍しチーム得点王(11点)になるなど、能力に疑いようはありません。
しかし今年はドゥドゥがレンタル先(福岡)から戻ってきただけでなく、昨年徳島でプレーしたウタカを獲得した甲府。
ウタカは35歳のベテランながらJ1での実績も豊富なストライカー。寝耳に水とはまさにこの事で、開幕からベンチを温める日が続くバホス。
6節・8節ではスタメンでしたが、シュート数本打っただけで目立った活躍は出来ずに終わりました。
そして今日もスタメンで起用されたように期待はいまだ大きい。

しかしストライカー成分が高い彼は守備面ではイマイチで、また味方との連携面も未完成な部分を披露。そんな彼をシャドーで使うのは当然リスクが伴います。
前半はパスを上手く回す事が出来ず、さらに守備面では相手のサイドバック・志知を見る事が出来ていなかったのか、自由に攻撃参加させてしまう場面が多々。
終了間際にはウタカとのパスワークでチャンスを作る場面が2度ありましたが決めきれず。

後半ドリブル突破で水戸選手2人をかわす場面がありましたが、それでもシャドーなため受ける位置が低いせいか3人目に止められます。
やはり彼を生かすにはFW起用しかないように思えますが、何せウタカがどっしりと座っておりスーパーサブに佐藤洸一もいるチーム事情。
後半22分からその佐藤洸が投入されると、彼とウタカの2トップにシフトチェンジ。バホスはドゥドゥとともにサイドハーフに回される事となり、一層エリア内でのプレーが減ってしまいます。
こうしたアタッカーが飽和状態の状況にどう折り合いをつけるのか今後甲府・伊藤彰監督の手腕も問われるところですが、それはまた別の機会に譲ります。

試合の方は、後半風上に立った甲府はGK河田のロングフィードも冴え始めて水戸陣内でのプレーが増えます。(前半はフィードが直接タッチを割る場面もあった)
それでも水戸はゴールを許さず、逆に水戸の攻撃の場面では甲府はファールで止めてフリーキックを与える場面が目立ってきます。
後半30分には茂木が直接狙うも枠を捉えられず。
33分には右から茂木がクロスを入れ、クリアボールを浅野(木村と交代)が拾って二次攻撃もシュートまで持ち込めず。

このまま引き分けかという予感が大きくなってきた後半42分、水戸はジョーが茂木と交代で出場。
このジョーはとにかく長身で、完全なパワープレイ要員。
その期待の下、早速43分には中盤でポストプレイを成功させて前にパス。(前はフィードを送るも直接GKに渡る)
そしてアディショナルタイム、甲府・新井のボールロストから前が縦パス、ジョーが収めてドリブルすると小椋がスライディングで止めますがこれがファール。

絶好の位置・ラストチャンスという時間帯で得たフリーキック、この期待に応えたのが志知でした。
壁左からカーブをかけたシュートが見事にゴール左側を襲い、GK河田は一歩も動けず。
値千金のゴールで水戸が勝ち越し、そのまま勝利し首位奪取を果たしました。
この無敗をどこまで続けられるのか、はたまた2017年の記録を超えることが出来るのか。
水戸の旋風に今後も注目していきたいです。

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