猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

特捜部Q Pからのメッセージ

2020-07-02 22:30:05 | 日記
2016年のデンマーク・ドイツ・スウェーデン・ノルウェー合作映画「特捜部Q
Pからのメッセージ」。

コペンハーゲン警察で未解決事件を担当する特捜部Qに、新たな捜査依頼が舞い
込む。海辺に流れ着いたボトルの中から「助けて」と書かれた手紙が見つかった
のだ。手紙は7~8年前に書かれたもので、インクのにじみが激しくほとんど解
読することができなかったが、差出人の頭文字が「P」であることと子供の筆跡
であることがわかった。行方不明の子供の割り出しを進めたカール(ニコライ・
リー・コス)やアサド(ファレス・ファレス)たちは、やがて衝撃の真実に辿り着く。

デンマークのベストセラー・ミステリーシリーズ「特捜部Q」の映画化第3弾。
海辺に流れ着いたボトルの中から「助けて」と書かれた手紙が見つかり、特捜部
Qに捜査の依頼が来る。手紙はほとんど判読不能だったが、差出人の頭文字がP
であることと子供の筆跡であることはわかった。カールたちはここ10年以内に
行方不明になった子供たちを調べ始める。ある兄弟に辿り着くが、兄と両親は亡
くなっており、今は15歳になった弟は麻薬中毒になり、事情を話そうとせずに
カールたちを追い返す。そしてその頃、別の幼い姉弟が誘拐されていた。
今回の物語は宗教絡みの事件で、闇が深かった。姉弟が車で連れ去られるのを目
撃していた人が警察に届けるが、身代金を要求されている両親は警察に届け出て
いなかった。カールとアサドは昔誘拐された兄弟と今回誘拐された姉弟との間に
共通点を見出す。どちらも信仰深い家の子供であるということだ。そして犯人の
本当の目的は身代金ではないこともわかる。
割と最初の方で犯人はわかるので、犯人の目的と子供たちはどこにいるのか、子
供たちをどうやって助けるのかが焦点になる。昔誘拐された少年が思い直して警
察署を訪れ、全ての事情を話してくれるが、彼が経験したことは本当に壮絶なも
のだった。犯人の生い立ちには同情するが、犯人のやっていることは冷酷非道で、
絶対に許せるものではない。子供の時の体験というものがここまで人間の心を歪
めてしまうものなのだと思った。
多分そうじゃないかと思っていたが、カールは神を信じていない。でも信じてい
るという発言もしていて、心の中で揺れているようだ。車の中でイスラム教徒で
あるアサドとイスラム教について口論になるシーンは印象的だ。それに誘拐され
た姉弟の父親が訪ねてきたカールとアサドに対して、「あんた(アサド)は入らな
いでくれ」と言うのも何だか悲しい。母親が父親を諫めるのだが。
相変わらずカールはしくじってボコボコにされるが、今回はアサドも負傷する。
新しく登場したイケメン刑事はレギュラーになるのかと思っていたら、殺されて
しまって残念だった。この犯人、強すぎ。犠牲者も多い。ラストで教会の中でカ
ールが聖書を開いて涙を流すシーンがあるが、あれはカールが神を信じ、魂が救
済された瞬間なのだと思った。今までの3作の中で1番おもしろかった。


「特捜部Q」シリーズ
第1作「檻の中の女
第2作「キジ殺し




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