猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

不都合な理想の夫婦

2022-05-11 22:15:00 | 日記
2019年のイギリス映画「不都合な理想の夫婦」を観に行った。

1986年、ニューヨークで貿易商を営むイギリス人のローリー・オハラ
(ジュード・ロウ)は、アメリカ人の妻アリソン(キャリー・クーン)と娘
と息子と共に幸せに暮らしていた。しかし、更なる大金を稼ぐことを夢
見て、好景気に沸くロンドンに一家で移住し、かつての上司が経営する
商社に舞い戻る。仕事面では才能を評価され、ロンドン郊外に豪邸を借
り、息子を名門校に編入させ、妻の好きな乗馬のために広大な敷地を用
意するなど、ローリーの生活は順風満帆だった。しかしアリソンはふと
したきっかけから、新生活のために用意していた貯金が底をついている
ことを知ってしまう。

心理サスペンスで、なかなかおもしろかった。ニューヨークで暮らすイ
ギリス人のローリーは、アメリカでの生活に限界を感じ、家族で自分の
出身地であるロンドンに移住することを提案する。アメリカ人の妻アリ
ソンは困惑するが、結局一家で移住する。ローリーはかつての上司が経
営する商社に入社し、歓迎される。仕事の能力を高く評価され、プライ
ベートも充実しており、オハラ家の生活は順調だった。いや、順調だと
思っていたのはローリーだけで、アリソンは慣れないイギリスでの暮ら
しに不満を感じており、娘と息子も戸惑っていた。
結局ローリーはアメリカが好きではなく、アリソンはイギリスが好きで
はないのだ。アリソンはニューヨークで暮らしていた時から朝は誰より
も遅く起き、ローリーがコーヒーを淹れてアリソンのベッドまで持って
いっていた。子供もいるのにのん気というか、ちゃんと家事しているの
だろうかと思った。昼間は乗馬や馬の世話だし。子供たちを車で学校へ
送り届けるのはローリーだったりアリソンだったりだが、アリソンはい
つも遅刻して、子供たちはそれを嫌がっていた。私は最初からこの妻が
好きではなかった。そしてアリソンは些細なことがきっかけで、家の貯
金が底をついていることを知ってしまい、夫婦は口論が増えていく。
こうなると1番かわいそうなのは子供たちで、不安の中に置かれること
になる。夫婦の留守中に娘(多分高校生)はクラスメイトを家に呼んで酒
とドラッグで騒いだり、息子(小学生)は学校でいじめに遭って暴力事件
を起こしたりと、生活は乱れていく。アリソンの心も追い詰められてい
た。ローリーの言っていたことやしていたことは見栄や虚飾ばかりだっ
たのだ。金は心配ない、今度大金が入ると言ってアリソンを納得させよ
うとするがそううまくはいかない。それでもアリソンはローリーに伴わ
れて会食に行かなければならない。アリソンも皆の前でローリーが恥を
かくようなことを言わなくてもいいのに、と思うが、もう限界だったの
だろう。
金の切れ目が縁の切れ目というか、ありがちな物語なのだが、ジュード
・ロウとキャリー・クーンの演技力にぐいぐい惹き込まれる。端正な美
貌のジュード・ロウが嫌な奴を演じているのがかえっていい。こういう
役似合うなーと思う。ローリーは母親ともうまくいっていないようなの
で、多分昔から嘘つきで問題が多かったのではないかと思った。少しわ
からないシーンもあったが、スリリングな会話劇でおもしろかった。唐
突に終わるラストも好きだが、あの家族には救いはあるのだろうか。あ
るのだと思いたい。


喫茶店のモーニングに行って来ました。モーニングなんて何10年ぶり
かな…多分20代の時以来ではないだろうか。大昔ですね(^^;)
おいしかったです

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする