猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ケース39

2022-07-23 22:34:00 | 日記
2009年のアメリカ・カナダ合作映画「ケース39」。

児童福祉局でソーシャルワーカーとして働くエミリー・ジェンキンス(レネー・
ゼルウィガー)は38件の案件を抱えていて多忙だったが、新たに39件目の案件
を割り振られ、リリーことリリス・サリヴァン(ジョデル・フェルランド)という
10歳の少女を担当することになる。ある日サリヴァン夫妻がリリーを殺そうと
する事態が発生し、夫妻は逮捕され、エミリーは里親が見つかるまでの間リリー
を預かることになる。するとやがて、エミリーの周囲で不審死が続出。一連の事
件はリリーの仕業だとエミリーは気づく。

エスター」みたいな映画かなと思ったのだが、だいぶ違っていた。児童福祉局
のソーシャルワーカーであるエミリーは、両親からDVを受けていると思われる
少女・リリーを担当することになる。面接をすると、両親の様子は確かに変だっ
た。エミリーは「怖いことがあったら連絡して」と言って、自分の電話番号を書
いたメモをリリーにこっそりと渡す。ある夜リリーから電話がかかり、エミリー
は急いで駆け付けるが、両親はオーブンにリリーを閉じ込めて焼き殺そうとして
いた。エミリーはリリーを必死に助け出し、両親は逮捕されるが精神病院に収容
される。
リリーはエミリーに懐き、一緒に暮らしたいと言い出し、エミリーは里親が見つ
かるまでの間ならとリリーを引き取る。リリーは子供たちばかりのグループカウ
ンセリングを受けていたが、ある日一緒にカウンセリングを受けている少年が両
親を惨殺するという事件が起きる。おとなしい少年の犯行とは思えなかったが、
少年が電話がかかってきて両親を殺せと言われたと言う。その電話はエミリーの
家からかけられていたことがわかるが、もちろんエミリーはかけておらず、リリ
ーもかけていないと主張する。しかし少年は電話はリリーからだったと言い、エ
ミリーはリリーに不審なものを感じる。
リリーが無邪気でかわいい様子の時と、不気味な様子の時があって怖い。子供を
使ったホラー映画は大体怖いことが多いと思う。「子供は無垢な存在」という前
提があるので、そうでない時とのギャップが怖いのだ。少年が両親を殺害した事
件に始まり、カウンセラーの男性や刑事やリリーの両親が異常な死に方をする。
一連の事件はリリーの仕業だと思うようになるエミリーだが、気づくのがちょっ
と早いのではないかと思った。そんなにすぐリリーを疑うものだろうか。被害者
たちは皆電話を受けてから発狂したり、幻覚を見て自滅したりしている。エミリ
ーは精神病院でリリーの父親と面会した時、「リリーを殺すしかない。俺たちは
10年も耐えたんだ」と言われる。
カウンセラーが死ぬ際、大量の蜂が出てきてゾッとした。幻覚なのだが、耳や鼻
や口から蜂が出てきて、背中も蜂がびっしりである。虫が嫌いな人は注意しなけ
ればならない(私もだが)。リリーの両親はよく10年も耐えられたものだと思う。
普通とっくに気がおかしくなってしまいそうだ。ラストはあんなに簡単でいいの
かな?と思った。エミリーは何か罪に問われてしまうのではないかと気になった。
ところでレネー・ゼルウィガーはあまりホラー映画に向かないと思うのだが。顔
立ちのせいだろうか。「エスター」とどちらが怖いかと言われると、怖さの種類
が全然違うので比べにくいが、本作もなかなか怖くておもしろかった。


ノエルでぶい。

コメント (4)
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