猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ハロウィン KILLS

2022-05-07 22:06:45 | 日記
2021年のアメリカ映画「ハロウィン KILLS」。

40年に及ぶローリー・ストロード(ジェイミー・リー・カーティス)と"ブギー
マン"ことマイケル・マイヤーズ(ジェームズ・ジュード・コートニー)の因縁
の戦いに決着がついたはずだった。しかし、悪夢は終わっていなかった。ロー
リーが仕掛けたバーニングトラップから生還したマイケルは、過去を背負う街
ハドンフィールドへ戻ってきて更なる凶行を重ねる。街の住民たちはマイケル
を倒そうと決起するが、その一方で恐怖に耐えかね暴徒と化してしまう者もい
た。街が騒然とする中、ローリーは今度こそマイケルと決着をつけようと、娘、
孫娘の3世代で準備を進めていた。

2018年の映画「ハロウィン」の続編。そして前作の「ハロウィン」はジョン
・カーペンター監督が1978年に手掛けた「ハロウィン」の続編である。続編
2作の監督はデヴィッド・ゴードン・グリーンだが、ジョン・カーペンターと
シリーズを通しての主役ジェイミー・リー・カーティスも製作総指揮に参加し
ている。第1作からこの映画が大好きな私。楽しみにしていたのだが、前作が
とても良かった割には本作はちょっと物足りなかったかなあ、と思った。
前作でローリーは自宅に罠を仕掛け、マイケルを閉じ込めて火を放ったのだが、
消防士たちは意図せずマイケルを助けてしまい、彼らはマイケルに殺される。
重傷を負って入院していたローリーだが、マイケルが生きていると知って病院
を出ようとし、娘と孫娘に止められる。その間に街はマイケルが舞い戻ってき
ているとわかって、混乱に陥っていた。住民たちはマイケル討伐のため武器を
持って集結するが、暴徒と化し、人違いでマイケルではない男を殺そうとする
者たちも現れる。そんな中でマイケルは更に住民たちを惨殺していた。
入院しているローリーが同じ病室の保安官と語り合うシーンがあるのだが、ア
メリカでは男女を同じ病室にするのだろうか。他の映画でもそういうシーンを
観て、驚いたことがある。保安官は40年前にマイケルを倒せなかったことを
ずっと悔やんでいた。住民たちも大勢で束になっているのに、マイケルに敵わ
ない。いくらマイケルが尋常じゃない怪力の持ち主で、不死身と言っても、も
う少し何とかならないのかと思う。トドメ刺せよ、首くらい切断しろよと思う。
まあアメリカのホラー映画のお約束なのだろうが。
主人公のローリーは大怪我をしていたせいもあって、あまり活躍しなかったの
が残念。今回は街の住民たちとマイケルとの戦いという構図である。でもやっ
ぱりローリーに活躍して欲しかったなあ。理性を失った住民たちの行動は怖く
てそれなりに見応えはあるのだが。前作でもう年をとったローリーのマイケル
に立ち向かう姿はすごかった。実は2018年の「ハロウィン」と本作と2022年
公開予定の「ハロウィン・エンド」は3部作らしく、次でシリーズは完結する
ようだ。どんなエンドを迎えるのか楽しみだが、本当に終わるのかな。


良かったらこちらもどうぞ。デヴィッド・ゴードン・グリーン監督作品です。
スノー・エンジェル



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男たちの挽歌

2022-05-03 22:02:42 | 日記
1986年の香港映画「男たちの挽歌」を観に行った。

香港マフィアの幹部であるホー(ティ・ロン)と相棒マーク(チョウ・ユンファ)は
強い絆で結ばれていた。ホーの弟キット(レスリー・チャン)は兄の仕事を知らな
いまま警察官となり、ホーは弟のため足を洗うことを決意する。部下のシン(リ
ー・チーホン)と台湾で最後の取り引きに臨むが、実は敵の罠だった。銃撃戦を
生き延びたホーは収監され、マークはたった1人で敵組織に乗り込み復讐を果た
すが、自らも脚に大怪我を負う。3年後、出所したホーは、キットから絶縁を言
い渡される。堅気として生きていくことを胸に誓うホーだったが、そんな彼にマ
ークが、組織で権力を握ったシンへの復讐を持ち掛け、ホーはいつしか戦いへと
巻き込まれていく。

ジョン・ウー監督によるハードボイルド・アクション。日本公開35周年記念の
4Kリマスター版ということだが、4Kリマスター版って何だろう。それまでコメ
ディやカンフー映画が主流だった香港映画界に「香港ノワール」と呼ばれる新た
なジャンルを確立した記念碑的な作品である。チョウ・ユンファやレスリー・チ
ャンの出世作。もちろん昔ビデオで観ているが、レスリー見たさに映画館へ足を
運んだ。とにかくかっこいい映画。
黒社会の幹部・ホーは闘病中の父と学生である弟・キットの面倒を見ていたが、
キットが警官になる希望を持っていることで病床の父から足を洗うよう頼まれる。
了解したホーは、次回の台湾での仕事を最後に黒社会から引退しようと決意する。
しかし取り引きは密告によって警察に知られており、同行した後輩シンを逃がし、
ホーは自首することになる。その間、香港では父が陰謀によって殺され、そのこ
とでキットは尊敬する兄が黒社会の人間であることを知る。一方ホーの親友マー
クは報復のために敵を皆殺ししたものの、脚を大怪我し、右脚が不自由になって
しまう。
ホー役のティ・ロンはハンサムではないが映画を観ているとかっこよく見えてく
る。出所後ホーは今では刑事になっているキットに会おうとするが、キットは兄
のせいで父が死んだことや、自分が出世できないことでホーを憎んでおり、もう
自分に関わるなと言う。ホーは堅気になって生きようとしているのに、それが切
ない。キットはどうしてもホーを許さないのだった。ホーが就職した会社の社長
がとてもいい人で泣けてくる。社長は自らも前科持ちで、刑務所帰りの者たちを
積極的に雇っている。ホーが抗争に巻き込まれた時も、「我慢するんだ」とホー
を必死に説得する。
ホーとマークの友情だけでなく、ホーの家族の愛情も描かれているのがとてもい
い。マフィアから足を洗うのって本当に大変なことなんだなあ。ホーはいい人に
見えるのにどうして黒社会に入ってしまったのだろう。そしてマッチ棒をくわえ
て(どうしてマッチ棒なのかわからないが)2丁拳銃をぶっ放すチョウ・ユンファ
兄貴がめちゃくちゃかっこいい。この人はいつもかっこいいけど。若いレスリー
はかわいくて、レスリーの歌う主題歌も良かった。香港映画史上に残る傑作だと
思う。




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