港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』


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60年代ポップス変遷史 1963年10月

2015-05-30 02:25:34 | 60年代ポップス変遷史

1963年10月にはこんな曲が流行していました。

大脱走マーチ ミッチ・ミラー楽団
ワン・ボーイ ジョニー・ソマーズ
悲しき悪魔 エルヴィス・プレスリー
悲しきカンガルー パット・ブーン
禁じられた恋の島 エリオ・ブルーノ楽団
太陽は傷だらけ サウンドトラック
北京の55日 ブラザーズ・フォー
女王蜂のテーマ サウンドトラック
けんかでデート ポールとポーラ
エデンの東 ヴィクター・ヤング楽団
バイ・バイ・バーディ アン・マーグレット
ラッキー・リップス クリフ・リチャード
愛しのラナ ヴェルヴェッツ


映画『大脱走』のテーマがベストワンを独走中で、これにジョニー・ソマーズの『ワン・ボーイ』が肉迫する
展開となりました。
この月も新作の映画音楽が二曲が登場しました。『北京の55日』は作曲者のディミトリー・ティオムキンの
サントラ盤よりもブラザーズ・フォーで大ヒット、アン・マーグレットの『バイ・バイ・バーディ』も方もサントラ盤
よりもスタジオ録音盤でヒットしました。
『エデンの東』は映画のリヴァイヴァル上映による再ヒットです。
ポップスの新曲としてはヴェルヴェッツの『愛しのラナ』が初登場して一気に上位を狙います。
このヴェルヴェッツですが、高校教師のバージル・ジョンソンと彼の生徒四人による異色黒人グループで、
ロイ・オービソンが書き下ろしたドゥーワップ(doo-wop)曲『愛しのラナ』によって日本のポピュラー界を席巻しました。
この曲、アメリカでは全くヒットしていなかったようです。

↓はスタジオ録音盤のアン・マーグレットの『バイ・バイ・バーディ』 YOUTUBEより

サントラ盤では『バイ・バイ・バーヒー』ですが、スタジオ録音盤ではハッキリ『バイ・バイ・バーディ』と唄っています。
ついでにサントラ盤『バイ・バイ・バーヒー』もリンクをつけておきます。


ベストテン入りはしませんでしたが、リトル・ペギー・マーチの『プリンセスではないけれど』、また、ラジオ関西の
『電話リクエスト』で毎週のようにかかっていたスリム・ホイットマンやエディー・アーノルドの『モリーダーリン』
などもこの頃のヒット曲でした。
『モリーダーリン』はウィリアム・シェイクスピア・ヘイズが1872年に作詞作曲した恋歌なのですが、日本では
文部省唱歌「冬の星座」として有名ですね。

↓はスリム・ホイットマンの『モリーダーリン』 YOUTUBEより



「エル・エスピアンテ」 (機関車) El espiante

2015-05-27 23:51:27 | アルゼンチンタンゴ

連続してタンゴの四大描写曲の二曲を紹介しました。
そのうちの一曲『夜明け』は当ブログの『アルゼンチン独立記念日』(2014.7.9付)にてすでに紹介済みなので
今回は最後の一曲『機関車』をUPすることにします。

この曲は1914年に若きオスワルド・フレセドが作曲したもので、邦題は『機関車』となっていますが、原題の
"Espiante" とは犯罪用語で「盗み、かっぱらいをして逃亡する」という意味だそうです。つまり、盗みを働いて
汽車で逃亡する…といったイメージなのでしょうか。当時の荒んだブエノスアイレスの場末にたむろっていた
ルンファルド(隠語で職業犯罪者)を意識したタイトルになっています。


↓はオスワルド・フレセド楽団の『機関車』 YOUTUBEより



一応、これでタンゴの四大描写曲は終了ですが、「四大」には入らなかった描写曲も数多くありました。そのうちの
一曲、1915年にフランシスコ・カナロが作曲した「エル・ポジート」 (ひよこ) El Pollito を紹介しておきます。

↓はフランシスコ・カナロ楽団の『ひよこ』 YOUTUBEより




「フエゴス・アルティフィシアレス」 (花火) Fuegos artificiales

2015-05-26 23:34:02 | アルゼンチンタンゴ

前日にタンゴの四大描写曲の「エル・ウラカン」 (台風) をアップしましたので、今夜は四大描写曲の
「花火」を紹介します。
この曲はロベルト・フィルポとエドゥアルド・アローラスの合作で1916年に初演された古典曲です。
フィルポの見事な描写とアローラスのスケールの大きさでダイナミックな迫力のある楽曲に仕上られました。

この曲は作曲者であるロベルト・フィルポ楽団はもとより、数多くの楽団のレコードがリリースされていますが
名演は何と言ってもアニバル・トロイロ楽団でしょう。

↓はアニバル・トロイロ楽団の『花火』 YOUTUBEより



作曲者のフィルポに敬意を表して
↓はロベルト・フィルポ楽団の『花火』 YOUTUBEより





「エル・ウラカン」 (台風) El Huracan

2015-05-25 23:03:52 | アルゼンチンタンゴ

久しぶりにアルゼンチン・タンゴ記事です。

台風の季節が来ないうちにこの曲を取り上げてみます。

El Huracan は日本では『台風』と訳され、「花火」「機関車」「夜明け」と共にタンゴの四大描写曲として親しまれています。
作曲はエドガルド・ドナートと実弟のオスヴァルド・ドナートとの合作で、これにノーロ・ロペスが詩をつけて 1932年に
発表されました。ほとんどの場合、演奏が主で唄われることは珍しいのですが幸いにしてYOUTUBEにUPされていましたので
紹介しておきます。

歌詞の内容は以下のようです。

花咲く四月の昼下がり
年経て茂ったわが庭の
手しおにかけたバラの木は
一夜の嵐にうちひしがれ
あれから咲かぬバラの花
花の香りもおくらずに
庭は淋しく荒れ果てた
恋も希望も幻も
楽しかるべきわか春も
嵐と共に消え去った

アルゼンチンは日本の真裏にあたりますので四月が台風の季節なのでしょう。


↓はエドガルド・ドナート楽団の『台風』 YOUTUBEより


ついでに、歯切れの良い演奏を
↓はファン・ダリエンソ楽団の『台風』 YOUTUBEより




『外国映画主要作品・戦前編』の完結

2015-05-24 23:16:03 | 外国映画・戦前編

お付き合いいただきました『外国映画主要作品・戦前編』は先週の金曜日をもって終了いたしました。
『映画音楽史』『外国映画主要作品日本公開史』そして『外国映画主要作品・戦前編』におきまして、映画誕生から1970年までの
約二千本の主要作品のタイトルを列挙してまいりました。中には『映画音楽史』においてとんでもないB級作品もありましたが、
映画史をひもどく上での主要な作品が網羅されたと思っています。
これにてシネマに関する個人的な保管庫は終了です。
シネマに関する記事については、各々の作品ごとに簡単な私感をまとめたり、シネマに関しての想いを綴っててみようと
思っているのですが、どうなることやら…



最後にエイゼンシュテイン監督の最高傑作『戦艦ポチョムキン』のポスターを貼り付けておきます。