港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』


献立は…  
シネマ・ポップス…ときどきイラスト

本日の日替わりメニュー(84)

2018-10-31 17:09:33 | 本日の日替わりメニュー

『愛さずにはいられない』 アッカ―・ビルクのクラリネット
” I Can't Stop Loving You” Acker Bilk  【YOUTUBEより】 



原曲は1957年にドン・ギブソンが作詞・作曲したカントリーで、1962年に レイ・チャールス盤が全米No.1となりました。
今回演奏しているアッカ―・ビルクは1961年の『白い渚のブルース』で有名ですがその後はこれといったヒットに恵まれていません。
個人的には好きな演奏家だったのですが残念ながら一発屋に終わってしまいました。

本日の日替わりメニュー(83)

2018-10-30 18:56:03 | 本日の日替わりメニュー

『エストレリータ』 メラクリーノ楽団
”Estrellita” Melachrino Strings  【YOUTUBEより】 



1913年にメキシコのマヌエル・マリア・ポンセが作詞・作曲、片想いの愛を小さな星に祈るというロマンチックな楽曲で、
タイトルの”Estrellita”とは「小さな星」を意味しています。
このブログでは以前にロバート・マクスウェル及びトリオ・ロス・パンチョスで紹介しましたが、ストリングスによる演奏も
なかなか素敵ですね。

『エマンシパシオン』 オスヴァルド・プグリエーセ楽団

2018-10-29 18:51:19 | アルゼンチンタンゴ

”Emancipación” Osvaldo Pugliese  【YOUTUBEより】
 


この曲はアルフレド・ベヴィラクアが1917年に隣国チリ共和国の建国百年祭を祝って作曲したもので、
タイトルの”Emancipación”は「解放」という意味です。
『インデペンデンシア(独立)』と共にベヴィラクアの国家をテーマにした代表作となっています。


*****


アルゼンチン・タンゴの記事もいよいよ100回目に入ろうとしています。
これまで、古典曲を中心に多くの楽曲を記事にしてまいりましたが、
主だったところの紹介も一段落いたしました。
ただ、ひとつの楽曲につきましても様々な演奏スタイルがあり、
ひとつの楽曲にこれぞ名演といわれる演奏が数多くあります。
たとえば、名曲中の名曲『ラ・クンパルシータ』に関しまして申しますと
私の手元に五十を超える音源があり、そのいずれもが素晴らしいものばかりです。
古典曲の紹介も一段落しましたので次回からは
様々な楽団や歌手による【名演】を中心に綴っていこうと思います。

『奇跡の丘』 旅の友・シネマ編 (26) 

2018-10-28 21:42:27 | 旅の友・シネマ編



『奇跡の丘』 Il Vangelo Seconde Matteo (伊)
1964年制作、1966年公開 配給:東和 モノクロ
監督 ピエル・パオロ・パゾリーニ
脚本 ピエル・パオロ・パゾリーニ
撮影 トニーノ・デリ・コリ
音楽 ルイス・エンリケス・バカロフ
主演 キリスト … エンリケ・イラソキ
    マリア … マルゲリータ・カルーソ
    マリア(老後) … スザンナ・パゾリーニ
    ヨセフ … マルチェロ・モランテ
    洗礼者ヨハネ … マリオ・ソクラテ
    ペトロ … セティミオ・デ・ポルト
    フィリポ … ジョルジョ・アガンベン
    マタイ … フェルッチョ・ヌッツォ
    ユダ(イスカリオテ) … オテロ・セスティリ
    ポンテオ・ピラト … アレッサンドロ・クレリチ
    サロメ … パオラ・テデスコ



べツレヘムの大工ヨゼフの婚約者マリアは聖霊によって懐妊し、主の使いのお告げにより、生まれた子はイエスと名づけた。
時の大王ヘロデはべツレヘムに住む二歳以下の男児を全員抹殺するように部下に命じたため、それを逃れるためにヨゼフと
マリアはイエスを連れてエジプトに逃れた。時が流れてヘロデが死にイエスはイスラエルに戻る。ガラリアで成人したイエスが
洗礼者ヨハネの洗礼を受けたとき、天からの声でイエスが神の子であることを告げられる。やがてイエスは荒野で四十日間の
断食を行ない悪魔と対決して退ける。そんな修行を終えたイエスは神の教えを説くようになり、12人の使徒とともにガラリアを
巡り歩きそして数々の奇跡を行なった。しかし、長老や司祭、法律学者らはイエスを快く思わず、エルサレムについたイエスは
最後の審判の日の近いことを使途たちに伝えた。過ぎ越し祭の日、イエスは十二人の弟子とともに晩さんの席につき、そこで
「この中の一人が私を裏切るであろう」と言い、さらに使徒ペテロには「あなたは鶏が鳴く前に3度、私を知らないというだろう」と
予言する。イエスの言葉通りユダは銀貨30枚でイエスを売り、イエスはピラト総督に引き渡された。「おまえもキリストの弟子
だろう」と詰め寄られて三度知らないと言ってしまったペテロは直後の鶏の鳴き声にその場で号泣し、ユダは犯した罪の深さに
首をつって自殺した。ピラト総督に引き渡されたイエスはゴルゴタの丘で処刑され、そして、イエスは三日後に復活する。



日本初登場のピエル・パオロ・パゾリーニが脚色・監督したマタイの福音書によるキリストの生涯です。
パゾリーニはマタイ伝にある言葉だけを忠実に採用して聖書にかなり忠実に映画化していますが、これまでのキリストを扱った
映画がキリストを完全に神格化して作られているのに比し、キリストを神ではなく生身の人間の人生として描いています。
観る者に人類の末世の姿を提示し、救いを求める人々とキリスト自身が荒野をさまよう運命が現世を感じさせることにより
結果的に優れた象徴詩を読むような深い感銘を与えることができました。



この作品において、パゾリーニは「視線」を重要視していて、一例をあげると、冒頭のヨセフとマリアのシーンにおいても視線の
多様さに目を見張る演出効果が生まれています。主体の移動を追う視線によってパゾリーニ独特のいわゆる自由間接主観
ショットが生まれたことによってこの映画は他に類を見ない新鮮な映像詩に仕上げることができたと言えるでしょう。
直近のカメラからロングショットへの切り替えによるこの手法は前述のシーンの他にも随所で見ることができます。
 これまでのイタリアにおけるロッセリーニやデ・シーカによる現実を直視するイタリアン・リアリズムは、その後フェリーニや
アントニオーニたちによってネオ・ロマンティシズム、知的リアリズムへと継承されていきましたが、パゾリーニは表現形式を
重視視しながら形象化を図り、光の質感によるアルカイックな映像美の世界をイタリアの映画界に築き上げました。



日本では『奇跡の丘』が初お目見えであったため、公開当時においてパゾリーニの素性は明らかではありませんでした。
パゾリーニは詩人で作家、元共産党員の無神論者としてイタリアでは名が知れわたっており、そのパゾリーニがマタイ伝を
映画化するということできっと冒涜的なものを作るに違いないと危惧されていたようです。
現に、1963年製作のイタリア・フランス合作のオムニバスコメディ映画『ロゴパグ』(Ro.Go.Pa.G)においてパゾリーニが第三話の
『意志薄弱な男』を監督したのですがその内容は、キリスト磔刑の撮影時にキリスト役の男が空腹のため食べ過ぎて撮影中に
磔のまま死んでしまう、というキリストを愚弄するような内容だったため、イタリア当局により「国家宗教に対する侮辱」だとして
上映禁止、さらには執行猶予つき禁固4箇月の有罪判決を受けています。
無神論者パゾリーニにとってキリストを神格化せずに一人の人間として描くことがささやかな抵抗だったのかもしれません。




【ふたり展カレンダー】

2018-10-27 18:03:21 | 絵画・イラスト




2014年から始めた【ふたり展カレンダー】も今回でいよいよ六年目です。
11月中旬頃の制作を目指して、この19日に打ち合わせを済ませました。
現在レイアウトの作業中で、近々に試し刷り作業に入ります。

ただ、今年に限っていまだに来年の臨時的な祝祭日が決定していないので困っています。
5月1日が祝祭日との法案が今秋の臨時国会に提出予定とのことだそうです。
そうなれば、自動的にその前後の4月30日と5月2日が休日となるためゴールデンウィークが最大10連休に?
また、10月22日の「即位礼正殿の儀」も祝祭日になる可能性が高そうです。
最終プリントアウトまでに決まってくれればよいのですが…