ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

光をくれた人

2017-05-21 23:55:44 | は行

俳優が、風景が、
赦しの尊さが、美しい。


「光をくれた人」71点★★★★


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1918年。トム(マイケル・ファスベンダー)は
戦争で傷を負い、
オーストラリア西部にある
孤島の灯台守の仕事に就く。

赴任前、
孤島に最も近い岬の町を訪れた彼は
島の娘イザベル(アリシア・ヴィキャンデル)に出会う。

心を閉ざしていたトムに
美しく快活な彼女は、光を与えてくれた。

そして、二人は愛し合うようになるのだが――。


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「ブルー・バレンタイン」監督による
久々に王道な愛と哀しみのドラマです。

孤独な灯台守(マイケル・ファスベンダー)と
美しい島の娘(アリシア・ヴィキャンデル)。
愛し合うようになり、これ以上ないほど幸せそうな二人に
いったいなにが起こるのか――?と思っていると、
これか!という驚き。

その顛末には、単なるメロドラマを越える深みがあり
なかなかよい映画でした。

でも
この美麗なキャストに、このビジュアルじゃ
やっぱりメロドラマと思っちゃうよね~ということで
ネタバレにならないように・・・ご紹介しますと
(予備知識ナシ派は、ここまでね!笑)








孤島で二人きりで暮らす
灯台守と妻は、赤ん坊を失ってしまうんです。
そんなときに
島に赤ん坊が流れ着くんですね。

良心のかたまりのような夫は「すぐに届け出なければ」と
至極まっとうな対応をしようとするけれど

とにかく、奥さんがもう、この子がいないと壊れる!という感じなので
(そのガラスのような脆さと危険さを
アリシア・ヴィキャンデルがよく表現している)

散々逡巡したのちに夫も
その子を自分の子としてしまう。

だが数年後。
夫は、偶然、赤ん坊の実の母親を知ってしまう。

彼女の苦しみに接した彼は、
良心の呵責にさいなまれ

全てを打ち明けるのか、否か――?!という展開です。


誰も悪ではないゆえに
苦しい話で

どう収拾をつけるのか?と思いますが
うまいと思いました。


「光をくれた人」は、灯台守にとって妻であり、妻にとって灯台守であり
流れてきた命であり、
さらに、もうひとつ意味がある、というね。

それにやっぱり、M.ファスベンダーにA.ヴィキャンデルって
この上なく美しいカップル。しかも演技力はお墨付き。

その上、レイチェル・ワイズも参戦してるし。
美しい演技派たちの競演を堪能いたしました。

ちなみに
「ティッシュ会社の株価があがるほど」という触れ込みですが
よい映画だったけど、ワシは泣きはしなかった(笑)


★5/26(金)からTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開。

「光をくれた人」公式サイト
コメント
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