ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

私をくいとめて

2020-12-19 00:01:55 | わ行

綿谷りさ原作×大九明子監督。

「勝手にふるえてろ」タッグ再び。

 

「私をくいとめて」71点★★★★

 

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黒田みつ子(のん)、

都内でおひとりさまライフを謳歌する31歳。

 

休日ともなれば、ひとりで話題のスポットに行ったり

ひとり焼き肉を楽しんだり。

 

彼女には脳内に相談役の「A」がいて

彼と会話しながら、楽しく不自由なく暮らしているのだ。

 

が、そんなみつ子に、最近気になる人が。

それは会社に営業にくる、年下男子・多田くん(林遣都)。  

 

彼もこっちを気にしてるよね?まんざらでもなくない?

いやいや。年下だし、カノジョいるでしょ、ないわー、いや、意外とある???

 

――と、脳内会話も暴走気味のみつ子は

果たしてどうする――?!

 

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小気味よく走る会話に

これがいまの30歳おひとりさま女子の最前線かあ――と

興味深く拝見いたしました。

 

 

脳内キャラと会話し、楽しげにおひとり様ライフを送る

黒田みつ子(31)。

 

「すっげーつまんねえ自分」の日々を

ひとりで立つ自由さと、行動力をもって

ワクワク&キラキラにしようとしてる様子は

 

50になったワシからみても

共感できるし、カワイイ。

 

20年の差を超えて

ああ、やってること変わんないなーという感じもあるんだけど

 

反面、

根底にある世代的なあきらめ感とか、

我々の世代より、さらにめちゃくちゃ将来を不安視してるんだろうな――という

たしかな感覚もあって、ちょっと切なかったり。

 

それにね

脳内にいる妄想キャラとの対話とか

やってることが「おらおらでひとりいぐも」のおひとりさま、75歳・桃子さんと同じじゃん?

ってところが、妙におもしろかったり

いろいろ感じ入るものがありました。

 

主演のん氏もとても良く、

イタリアに嫁いだ親友役の橋本愛氏とのやりとりは

やっぱり「あまちゃん」を思い出させて

なんだかホロリするし

 

それに

デキるキャリア女史役、片桐はいり氏が

やばいほど、ナチュラルにリアルなんですよ。

うっ、なんだか自分っぽい・・・(笑)っていうか。

 

あと、脳内の「A」の声は

「劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族」(2021年1月8日公開)

試写で観ていたので

すーぐに「あ!」とわかりました(笑)

 

★12/18(金)から公開中。

「私をくいとめて」公式サイト

コメント (3)
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