町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

大井町線の異端編成、2000系改め9020系

2019年04月13日 | 東京急行電鉄

田園都市線に10両3編成が在籍していた2000系は、2020系の登場で順次運用離脱し、一番先に田園都市線での運用から外れた2003Fは車内設備と走行機器の更新を行い、10両編成に組み直され試運転を実施しました。このまま復帰するかと思いきや、再び工場入りしてしまい大井町線仕様の5両編成になって出場、同線で営業運転を開始しています。しばらくの間は形式は2000系のままでしたが、2019年に入ってから改番が実施され、9020系を名乗るようになり2000系は形式消滅となってしまいました。

元々2000系は9000系と車体デザインが同じで、走行機器以外は共通部品が多様されていることから外観はそれ程違いは見受けられないように感じますが、冷房装置の配置や2丁パンタグラフになっている4号車のデハ9420など、探せば似て非なる箇所が多数存在します。

元2003Fだった9023F。背景のせいで分かりにくいですが、手前から2両目のデハのパンタグラフが増設されて2基になっています。更新前のVVVFインバータ制御装置はGTOサイリスタを素子に用いた日立製作所製で、9000系での反省点を踏まえ1C8M方式を採用し同時期に登場した西武6000系や京王8000系にも似た特徴的な磁励音が聞かれました。機器更新に当たり採用されたのは最新の三菱電機SiCで、静かながら2020系などとも異なる磁励音を発します。

化粧板・座席・床材は更新され、白系の配色に緑の座席の組み合わせになり、中仕切りは曲線の手摺りに交換されました。元2003Fの中間車の為、特徴的な三角形の窓を2枚組み合わせた妻面貫通扉と、座席下の後退した蹴込みなど種車特有の設備は引き継がれています。池上線・多摩川線の1000系更新編成にも似たイメージのカラースキームですが、今後はこの系統の配色が主流になるのでしょうか?

2003年下旬頃から設置されるようになった車内案内表示。多分表示内容のみ改修して再利用していると思われます。


2000系が大井町線に転用されるとの噂が出始めた頃、筆者は電動車が2両ユニットを組んでいることから「もしかしたら急行用に7両編成化も・・・」と期待していたのですが、実際には6020系が登場し残念ながら9000系の派生のような扱いになってしまいました。2000系の離脱で、9000系から始まり1980〜1990年代のトレンドだった左右非対称の切妻顔による車両の急行系列車が見られなくなってしまい、時代の区切りを感じさせられます。

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