ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

英国は次の選挙で野党(労働党)が勝ちそうだが、日本では首相交代程度で自民党・公明党連合が有利じゃね?(下)

2024-05-11 00:00:00 | 社会時評

前回の記事の続きです。

日本で、この何十年かで自民党(と、連立後は公明党)が、過半数を取れずに負けた選挙というと、だいたいこのようなものですかね。以下時系列です。

第15回参議院議員通常選挙(1989年)

第40回衆議院議員総選挙(1993年)

第18回参議院議員通常選挙(1998年)

第21回参議院議員通常選挙(2007年) 

第45回衆議院議員総選挙(2009年)

青字にした選挙が、政権交代となった選挙です。93年の選挙に関しては、「政権交代の名に値しない」という意見も多いかもですが、自民党政権が短期間とはいえ下野したのは事実なので、(当然ながら)政権交代が実現した選挙ということになります。日本はそもそも衆議院で与党となった政党が政治を牛耳りますから、当然ながら衆議院で勝たないと、政権は握れません。ただし1989年と2007年の参議院は、その後の政権交代のさきがけにはなりました。

98年の選挙は、直接政権交代に関与したとは言えませんが、07年の選挙は、09年の政権交代とワンセットの選挙であることは確かかと思われます。で、89年の選挙も確かに93年の選挙の前段ではありますが、しかし翌90年1月に行われた衆議院選挙では、自民党は過半数を確保しています。512議席中275議席を取っています。当時は中選挙制度でしたが、自民党には3,000万票以上が投じられました。これでも86年の選挙より20議席減らしています。で、89年の参議院選挙で自民党が選挙区で得た票が1,750万票弱、比例が1,530万票強です。つまりこの時の自民党への低投票数は、有権者が自民党へお仕置きをしたというものではないか。たかだか半年くらいで1,250万人の有権者が自民党への投票に回帰したのですから。つまりは、この時期の自民党は、それくらいの手厚い支持層をもっていたわけです。投票率の低減もあるので一概には言えませんが、2021年の衆議院選挙で自民党が得た票は、選挙区が2,730万票、比例が1,880万病、22年の参議院では、選挙区で2,060万票、比例で1,825万票です。そう考えれば、先日の衆議院補選で自民党が敗北、不出馬により議席がとれなかったというのも、それに近い性質があるのではないかと私は考えます。

で、2021年の選挙では、事前の世論調査では、自民党が苦しいのではないかという予想がもっぱらでしたが、実際には自民党が15議席を減らしたとはいえまずまずの結果と評され、野党第一党の立憲民主党の代表が辞任となったわけです。

自民党が予想以上に強かった理由についてはいろいろあるでしょうが、やはりトップ(総裁≒日本の首相)のすげ替えが大きな原因でしょうね。菅義偉ならいやだが、岸田文雄ならまだましくらいな。で、選挙があったのが21年10月31日であり、それから2年半でこの始末ですからねえ。画像の引用は、こちらより。

自民党を勝たした2年半後にこのざまですか。日本の有権者ってどんだけ馬鹿なんですかね。いや、自民党岩盤支持層にそんなこといったってしょうがないし、私は自民党に投票していないんで関係ないんですが、でもおそらく1千万人とまではいいませんが、数百万人の有権者が、実に安易に自民党に入れてしばらくしたら、「岸田はだめだ」なんていっているんでしょうね(苦笑、いや笑ってすむことではない)。こんなことでは自民党が喜ぶだけです。このままでは、例えば選挙の直前に石破茂あたりが自民党総裁(=首相)になったら、また自民党が勝つなんていう毎度おなじみの構図になるんじゃないのという気がします。もちろんどうなるかはわかりません。

英国はたしかに今度の選挙で労働党が勝つ可能性がきわめて強いのでしょうが、日本ではこのような前科が多々ですので、「どうせ首相が変わったら嬉々としてまた自民党に投票するんだろ」という予測を現段階しています。いや、別にこんな予測が当たってほしいわけでもありませんが。


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2 コメント

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Unknown (bogus-simotukare)
2024-05-11 02:29:32
 「安保闘争での岸辞任の後の池田長期政権」「田中首相の金脈辞任でも自民が下野しなかったこと」とか考えればとても楽観的にはなれませんよねえ。
 「リクルート事件(中曽根派領袖の中曽根首相(後に復党するが一時自民離党に追い込まれる)、竹下派領袖の竹下首相(首相辞任)、宮沢派領袖の宮沢蔵相(蔵相を辞任するが、後に首相)、安倍派領袖の安倍幹事長、中曽根派幹部の渡辺政調会長ら幹部政治家(元首相、首相や派閥領袖など首相有力候補)が疑惑の高官として謹慎を強いられ、傍流で首相の目がなかった宇野宗佑氏、海部俊樹氏(そもそも二人とも派閥領袖では無い)が首相に就任)」でも下野しなかったのが自民党です。
 宮沢内閣時の「ゼネコン汚職(宮沢内閣の中村建設相、自民系の茨城県知事、宮城県知事、仙台市長を逮捕)」「金丸ヤミ献金」では下野に追い込まれてはいますが(細川政権が誕生)
 しかし「安保闘争の岸辞任では高度経済成長の池田(思惑が当たり長期政権)」「ロッキード事件ではクリーン三木」「リクルート事件では宇野、海部」でイメチェンを図った頃の自民党なら「裏金疑惑で名前が浮上しなかった石破でイメチェン」でしょうにねえ。未だ岸田が居座りとは(呆)。
 それと小生の別記事https://bogus-simotukare.hatenadiary.jp/entry/2024/05/09/042629でも書きましたが「共産が反対する法案に自民、公明、国民民主、維新と一緒に賛成する」のが今の立民ですからね。
 そういう意味でも「そもそも政権交代できるのか」「交代しても過去の政権(細川、羽田内閣や民主党政権(鳩山、菅、野田))のように短命で終わるのでは無いか(そして自民復権)」を危惧しますね。
>bogus-simotukareさん (Bill McCreary)
2024-05-17 01:09:22
いまの立憲は、社会党はもちろん旧民主党よりもだいぶ自民党に近いところがありますからね。おおせの通り、仮に政権交代が実現したとして、自民党とどれだけ違う政治化できるかかなり怪しいというところでしょう。

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