ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや訪問カウンセリングなどをやっています。

小倉清『こころのせかい「私」はだれ?』1984・彩古書房-「熱い」子どもの精神科医との出会いを思い出す

2024年03月27日 | 子どもの臨床に学ぶ

 たぶん2011年ころのブログです

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 小倉清さんの『こころのせかい「私」はだれ?』(1984・彩古書房)をかなり久しぶりに読みました。

 3回目くらいで、10年ぶりくらいではないでしょうか。

 1984年の本ですが、その少し前頃、家裁調査官の東京での研修で、たまたま小倉さんの講義をきく機会がありました。

 それで、感激をして、小倉さんの本をあちこちの本屋さんで探して、ようやく手に入れた記憶があります。

 小倉さんのことはその当時、じーじはまったく知らなくて(小倉さん、ごめんなさい)、しかも、小倉さんの働く関東中央病院という先進的な精神科病院のこともじーじはまったく知りませんでした。

 そんな本当に白紙の状態でお話をお聞きしたのですが、その「熱さ」と学問的な裏付けに、思わずうなってしまった記憶があります。

 また、当時はまだじーじは精神分析の勉強もあまりしておらず、今考えると、とてももったいないことをしてしまったな、と思います。

 しかし、こういう機会がのちの精神分析学会への入会に導いてくれたのかもしれません。

 さて、久しぶりに読んでみた本書、やはりいい本でした。

 特に、解説のわかりやすさと症例のすごさはびっくりです。

 例えば、わかりやすさということでは、こころの健康について、不安のコントロールや怒りのコントロール、変化への対応などの大切さを述べていて、とてもわかりやすいです。 

 症例では、現場での豊富なご経験から、こんなケースもあるのか、と驚くような症例とそれへのていねいな対応が見事です。

 今後もさらに深く学んでいきたいと思いました。             (2011?記)

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 2019年12月の追記です  

 先日、放送大学の番組を見ていたら、小倉さんが子どもの治療について述べている番組の再放送がありました。

 とてもわかりやすく、しかも、内容が深く、勉強になりました。

 やっぱりすごい先生です。      (2019.12 記)

 

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坂本直行『原野から見た山』2021・ヤマケイ文庫-直行さんの名著が山渓の文庫になりました!

2024年03月27日 | 北海道を読む

 2021年3月のブログです

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 坂本直行さんの『原野から見た山』(2021・ヤマケイ文庫)を読みました。

 単行本は1957年に出版され、1973年に茗溪堂から復刻版が出ていて、これまでじーじはこの復刻版を読んでいたのですが、大きな本でじーじのように寝っ転がって本を読む人間にはなかなか大変でした(直行さん、ごめんなさい)。

 今度は文庫本ですので、行儀の悪いじーじでも安心です。

 本は小ぶりになりましたが、印刷がとてもきれいなので、見劣りはしません。

 素敵な文庫本です。

 戦前、南十勝の牧場に開拓で入った頃のお話やそこから見た日高山脈のスケッチ、大雪山や斜里岳への山旅、そして、最後の山旅と覚悟しての石狩岳登山などのお話とスケッチなどからなります。

 当時の大雪山ののどかさはとても素敵ですし、熊を逆におどかして楽しむ直行さんは豪快です。

 斜里岳山麓に1人で暮らす農夫とのやりとりも直行さんらしくユーモラスで、とても愉快。

 そして、昭和18年の石狩岳登山。いつ兵隊に取られてもおかしくない時世の中で、生きて山に登れるのはこれが最後かもしれない、と覚悟をしての登山は胸にせまるものがあります。

 直行さんの絵のすばらしさを改めて味わうことができて、幸せ。

 宝箱のような文庫本です。      (2021.3 記)

 

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