ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや訪問カウンセリングなどをやっています。

小倉清『子どもの精神科医50年』2012・論創社-その1・子どもへの愛情で「熱い」精神科医に学ぶ

2024年03月30日 | 子どもの臨床に学ぶ

 2012年のブログです

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 小倉清さんの『子どもの精神科医50年』(2012・論創社)を読みました。

 小倉さんはじーじの尊敬する幼児児童精神科医で、これまでにもすばらしい本を何冊も出しておられますが、今回の本もすばらしいです

 今回の本は、小倉さんの人生を回想しながら、幼児児童精神医学を語るという形ですが、とにかく「熱い」です。

 幼児や児童への愛情がほとばしっています。

 あえてたとえるなら、本の中にも登場しますが、河合隼雄さんの「熱さ」に共通する「熱さ」、情熱、やりぬく意欲、といったものでしょうか。

 先駆者としての意欲にあふれた姿が示されていて、感動的です。

 学問に裏付けられた熱意に触れられて、少し疲れ気味だった自分も少しだけ元気になれました。    (2012.11 記)

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 2023年秋の追記です

 初めて小倉さんのお話をお聞きした日のことを思い出します。

 じーじが家裁調査官言になって間もなくの頃、東京であった研修会。

 名前も知らない小倉さんでしたが(小倉さん、ごめんなさい)、その「熱い」お話に魅せられました。

 新潟に戻って、本屋さんで小倉さんの本を探し求めたことを思いまします。

 あれから50年近く、小倉さんは今もお元気で活躍中。

 すごい先生です。     (2023.10 記)

 

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佐々木譲『ユニット』2005・文春文庫-DVと犯罪被害者遺族を描く

2024年03月30日 | 北海道を読む

 2021年3月のブログです

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 佐々木譲さんの『ユニット』(2005・文春文庫)を読みました。

 すごく久しぶり。

 本棚の発掘作業をしていて(?)、偶然、見つけました(佐々木さん、ごめんなさい)。

 緊張感のある小説で、ハラハラ、ドキドキ、しながら読みました。

 年寄りの心臓には少し悪い(?)小説です。

 テーマはDVと犯罪被害者遺族。

 舞台は北海道。

 あらすじはあえて書きませんが、DV被害者とDV加害者、それに、妻子を殺された遺族とその犯人らが織りなす人間模様を綿密に描きます。

 DVの怖さと異常さ、二面性が怖いくらいに描きこまれていますし、殺人事件の遺族のうらみと憎しみ、そして、それからの離脱も描かれます。

 読んでいると、人間が怖くなると同時に、少しだけ希望も持てるかもしれません。

 人間はとても弱い存在ですが、案外捨てたもんでもないな、と思えるかもしれません。

 いい小説に再会できたことに感謝をしたいと思います。    (2021.3 記)

 

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