goo

旅人の心を刺激するもの

2023-09-15 06:40:05 | 「青春18きっぷ」花の旅 北海道 Ⅱ

 日暮里駅を出発して16分後、電車は千葉県に入って最初の松戸駅に停車しました。


 松戸市は、千葉県内では千葉市、船橋市に次いで3番目に人口の多い街ですが、多くの人々が東京都区部に通勤する千葉都民だそうです。

 

 日暮里から電車で16分の距離ならば、そうなるのは当然かもしれません。

 

 
 松戸駅を出てしばらく走ると、見覚えのある電車が並走しました。


 この電車を見た時以降、これは何だろうと気になっていました。

 

 今回記事を書くに当たって調べてみると、この辺りの常磐線は複々線化されており、茨城県の取手以北に直通する「常磐快速線」と北千住・取手間の各駅に停車する「常磐緩行線」が並走します。

 

 その「常磐緩行線」に地下鉄千代田線が、乗り入れていることが分かったのです。

 

 つまり、御茶ノ水と三鷹間で中央線に並走する中央・総武線に地下鉄東西線が乗り入れているようなものです。


 ということが分かり、私は今回、宿便が解消されたような、すっきり気分を味わうことができました。

 

 
 そして電車は千葉県内を19分で走り抜け、日暮里を出発してからほぼ30分後、利根川を渡って茨城県に入りました。
 

 

 茨城県に入るとすぐ、電車は取手駅に停車しました。


 その取手駅の、ホームの柱の駅名写真はピンボケですが、隣のホームに停車しているのは、あの「常磐緩行線」の電車です。


 この写真を見て、私は改めて、「常磐緩行線」の存在を知ったことで、ちょっと嬉しくなっています。


 旅とはそんなものです。


 見知らぬ土地の未知なるもの、初めて目にする異国や異郷の些細な光景が旅人の心を刺激するのです。
 


 取手駅を出ると電車は緑の中を走り始めました。


 今までの景色と異なる、目に優しい景色が車窓に広がりました。

 

 
 前回の18きっぷの旅も、埼玉県の上尾を過ぎた辺りから電車の周囲に緑が広がった記憶があります。


 取手も上尾も、どちらも上野駅から普通電車で40分ほどの距離にあります。


 こんなふうに平凡な田園風景の中にも、人々の営みに関わる法則が潜んでいます。


 それにつけても、本当に心休まる風景です。

 

 

 

前回の「青春18きっぷ」 「青春18きっぷ」花の旅 北海道

 

「花の旅」の全て 「花の旅」 総合目次

 

筆者のホームページ PAPYRUS

 

goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )

青春18きっぷで日本最東端の街へ

2023-09-14 14:58:06 | 「青春18きっぷ」花の旅 北海道 Ⅱ

 日暮里駅の4番線ホームに、常磐線の上野発勝田行き普通電車が、ヘッドライトを輝かせながら滑り込んできました。


 私はこの電車に乗って普通列車を乗り継ぎ、日本最東端の街、北海道の根室を目指します。


 財布の中には青春18きっぷ、背にした小さなザックに一人用のテントと数枚の着替え、今朝自宅近所のコンビニで購なったコッペパンとコーヒー牛乳が収まっています。

 


 私にとって、今回が二度目の青春18きっぷの旅となります。

 

 前回の旅は、2019年夏に18きっぷで東京と稚内を往復しました。

 

 本音を言えば、今回は九州最南端の駅、鹿児島県の大山駅を目指したかったのですが、何度シミュレートしても、一枚の青春18切符で東京と大山駅を往復するルートが見つかりませんでした。

 

 4、5年前に試みた時は普通列車だけで時刻表がうまく繋がったのですが、多分九州新幹線が鹿児島駅まで伸びたことが影響しているのでしょう。


 普通電車は5時14分に日暮里駅を出るとすぐに、東北本線や京浜東北線と進路を別ち、ビルの狭間を東へ向かいます。

 

 

  そして律儀なことに、普通電車は2分も走ると直ぐに、次の三河島駅に停車しました。


 三河島駅のホーム先の空には、かすかな陽の光受ける雲が浮かんでいました。

 

 電車はそっけない素振りで三河島駅を出て、光がまだ十分に届かぬ東京の家並の中をはしり過ぎて行きます。

 

 

 南千住駅を過ぎて、電車は隅田川を渡りました。

 

 
 次の北千住駅は、一日の乗降客数が160万人という世界第6位の乗降者数を誇るターミナル駅ですが、普通電車のそっけなさは相変わらずでした。

 

 私がこの先600を超える駅に着発する旅をスタートしたことなど、全くもってお構いなしです。

 

 
 電車は北千住を出ると直ぐに荒川を渡りました。


 東の空に登る朝日が川面を照らしますが、両岸に広がる家々の中で、人々はまだ夢の中かもしれません。

 

 
 電車が荒川を渡った車窓に、あの「こちら亀有公園前派出所(通称・こち亀)」の連載40年間に活躍した、不真面目でいい加減な警察官 両津勘吉が暮らす町が見えていました。

 

 きっと今は彼も、私と同様に年金生活のはずです。

 

 
 そして電車は中川を渡り

 


 
 江戸川を越えて千葉県に入りました。
 

 

 

前回の「青春18きっぷ」 「青春18きっぷ」花の旅 北海道

 

「花の旅」の全て 「花の旅」 総合目次

 

筆者のホームページ PAPYRUS

 

goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )
   次ページ »