チームは活力を失ったが、栗原には個人タイトルに向けた目標があり
それなりにモチベーションの高い日々であろう。
毎回栗原が打席に入るたび、打点や打率がクローズアップされ
カープの勝利は二の次になった報道姿勢に少々嫌気がさすものであるが、野球選手にとって 優勝もだが 個人タイトルは名誉なことである。
いまは沈没しているが、嶋・・・
いまだに実況などで、冠に「2004年の首位打者・・・」というものがついて回る。
嶋の場合…首位打者を獲得し その後 苦しんでいるのだが、それでもタイトルを獲得したことにより 首位打者名簿には一生名前が残るのだから、やはりタイトル獲得というものは大きな勲章なのであろう。
さて9月月間MVPの打者部門に栗原が選ばれた。
私は・・・驚きと共に、他に該当者がいなかった現実を思い知らされた。
なぜ記者投票とはいえ、栗原が選ばれたのか?
9月の栗原は 表向きの数字よりも得点圏打率は非常に悪かった。
何度チャンスを無にしたことか・・・
忘れもしない9月4日の中日戦。
序盤の満塁のチャンスに凡打し その後にその借りを返した栗原・・・
そのとき私の横にいた 経験者のAさんがささやいた。
「打者はいいですよね。失敗しても取り返すチャンスがありますから。投手は失敗したら、そこで終わりですもの・・・」
栗原クラスになれば 一度や二度の失敗は失敗でなく 次の機会に取り返せ・・・と、何度でもチャンスを与えられる。
それは、栗原がつかみとった信頼であるのは事実。
しかし表に出る数字のなかで、どのくらい勝ちに貢献したかが求められる選手でもある。
栗原は丸や松山とは置かれた立場が違い、年俸でもチームの顔。
それであるなら もっと殻を破ってほしいものだ。
今の栗原は状態がいいのか悪いのか知る由もないが
いくら弱いカープとは言え、もっとチャンスに強い打者になってほしい。
打点が多いのはチャンスに強い証拠と言われるかもしれないが、見逃してはならないのは凡打した得点圏。
仮定の話ではあるが、このオフにFAで 他球団に移籍し そのチームの4番でなく下位打線で大暴れし、恐怖の●番打者・・・栗原・・・と名称がついても、それは本来の栗原が求める野球人としての姿ではないであろう。
残り13試合・・・
栗原には2ヶ月連続MVPにふさわしい活躍を期待したい。