そうそう、前橋市議選のさなかにあった出来事で、ずっと書こうと思っていたことがありました。
私が総選挙で候補者をしているときに、角田よしかず渋川市議と行動していて、聴覚障害の方と角田市議が手話で会話しているのを見て感動した話は、以前書いたと思います。
前橋市議選の最中、一人の男性が事務所に訪れました。氏名と住所を記帳していただき、話をしようとすると、その方は身振りで耳が聞こえない旨を伝えてきました。
さて、困った。私の方も、身振りで手話ができないことを伝え、しばらく筆談で会話しました。
その男性、選挙事務所としてお借りしている建物を建てた人の息子だということで、今回、期日前投票で中道なみ子に投票してきたということを伝えたくて立ち寄ったのだそうです。
まあしかし、筆談のもどかしいこと。思いがあってすぐに伝えたいのに、書く速さがまったく追いつきません。少々疲れてきたころ、一人の男性が行動を終えて戻ってきました。はっと思いだしました。その人は確か手話をやれたはず。
さっそく泣きつき、会話を交代してもらいました。私の方もやりかけの仕事があったので、そっちに戻ったのですが、その男性ともどうにか意思疎通が図れ、握手でお見送りしました。
筆談をしながら、もどかしさと同時に、「聞こえる」ことのすごさを実感しました。
その会話中、「私も手話を覚えたいと思っている」と伝えると、二人して、「実際に会話をしながら教えてもらうのが一番」とのこと。手話サークルがあることも教えていただきました。
ちなみに、私を助けてくれた人は、勤めていた会社に聴覚障害者が入ってきて、一人でぽつんとしていたので、休憩時間などに話しかけ、手話を教わったのだそうです。そういえば、角田市議も「我流で」と言ってました。事務所へ訪れた男性の方は、あちこちの手話サークルで講師をしているとか。
確かに、本やテレビでやるよりも、実際に会話のなかで教わる方が手っ取り早い気がします。私も少しだけ教わりました。「日本共産党」と、「わたしの名前は糸井です。よろしくお願いします」という言葉。
どこにこんなチャンスがあるのか、わからないものですねえ。たったこれだけで、とても新鮮な喜びがあります。でも、もうひとつ、初めに教わっておくべき言葉があることを思い出しました。
「手話はまだこれしかできません」。
「I can't speak English.」みたいな話ですが。