思えば、私が大学に進学する前、当時の自民党中曽根内閣のときに「売上税」なる大型間接税の導入を巡って、日本中が大騒ぎしました。このときには、国民の猛反対にあい、この税制は廃案になりました。
そのわずか2年かそこらのうちだったと記憶してますが、自民党竹下内閣のときに同じような仕組みの大型間接税導入が、日本中を再び騒がせました。
「名前を何にするか」という議論も報道され、「福祉目的税」だのと言われました。要するに、「社会福祉の充実を目的に導入する」との論議でした。のちに「消費税」という名前になるわけですが、この税制も、当然国民の猛反対にあうのですが、当時の竹下内閣は、自民党の単独過半数という、議席の数にものを言わせて強行採決。消費税が1989年にスタートしました。
消費税は、「福祉充実」を掲げながら、特定財源としての扱いはされず、一般会計に組み込まれることに。要するに、何に使われるのかはわからない状態にされました。
この消費税の導入前から、日本共産党は「消費税は税制の原則をはずすもの」と指摘し、問題だらけのこの法案に最初から反対し続けました。
「国民みんなから3%(当時)集めるんだから公平」というのを、今でも信じている人もいるかもしれませんが、所得に対して一律の税率で徴収する税制とは根本的に違います。公平なんてまやかしなんだと、今では知っている人の方が多いと思います。
コトは税制の原則だけに及びません。消費税が導入され、今日まで一貫して自民党が言ってきたのが「社会保障の財源」です。「社会福祉・社会保障を充実する」と言っては、消費税を必要だと言い続けてきました。
実際がどうなっているかは、今の状況を見れば明らかでしょう。「税制の原則だけではない」というのは、自民党の社会保障に対する考え方が転換しているからです。
憲法第25条の生存権を根拠に、社会保障は国民の運動とともに発展してきました。ところが自民党が持ち出した社会保障は「受益者負担の原則」です。彼らは社会福祉を「福祉サービス」と言い出し、医療分野でも社会保障の分野でも、「地獄の沙汰もカネ次第」の仕組みづくりをすすめてきました。「お金を出せば、よりハイレベルなサービスを受けられる」仕組みから、いまでは「お金のない者にサービスなし」の仕組みへ、その姿は広げられたのです。
「誰もが安心して医療を受けられる仕組み」として始まった「国民皆保険」としての国保も、上がり続ける保険税のために、払いきれない人が増え、いまでは役人が「保険税を払ってないひとがサービスを受けられないのは当たり前」と、すぐに保険証を取り上げ、昔のサラ金も真っ青の取り立てを行政が行うことも横行しています。
この国に生まれて、人間らしく生きることが何らも保障されないなんてどうかしてます。国は何のためにあるのか。「民主国家だ」と平気で言う安倍さん、国民の生存権も守れない国で、民主国家なんてよく言えたもんです。
今の税制の仕組みを、直接税中心に戻すこと。予算を、この国の主人公である国民の命とくらしを守ることに最優先にまわすこと。こうしたことで、日本はもっと豊かな国になれるんです。
ほんの一握りの人たちの利益を守るために圧倒的多数の国民に犠牲を強いる消費税に、そしてそのことを何とも思わず、自分勝手な妄想(軍国主義の日本)に国中を巻き込もうとする安倍自民党政権に、あらためて怒りがわいています。