羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

空母いぶき

2019-05-27 23:05:39 | 日記








一見、どちらかというと保守的な題材を左派に配慮して軟着陸化させた風にも見えるし、実際、相当忖度(本来じゃない方の意味でっ!)はされているが、やはり所々で左派的にカンに障る部分があるのと、そもそも題材が先鋭的なので右も左もピリピリしがちな本作。どちらでもないミリヲタ(よく右翼と誤解されるがガチ右翼のミリヲタはむしろ少ない)が困惑してしまう描写ややり取りも少なからずあったようだ。別にミリヲタじゃなくても行けるのか? と戸惑う場面もしばしば。企画福井晴敏は大体困惑デフォではある。予算足りないのは邦画だからしょうがないとして、物語の登場人物達はそれぞれの立場で熱演はしていた。勢い余って役からハミ出してしまう人が出るのもそれだけベースの題材が軽く処理できないモノってことだろう。この『モノ』を完全には滅菌できない形で視覚化せざるを得なかったのはやはり時代なのかな、と。アルカイックスマイルな秋津は総体の結果だけが自分の本体ということに優秀過ぎて気付いてしまった人物だと思う。個とは認識されないということはラストの自衛官を同じ人類の生命としてはカウントしてない総理大臣と官房長官のやり取りに集約されていた。平和ってそんなもん。わりに合わないことを誰かが引き受けてる。