君子達と、君子が気を遣っても自分達も待つという森田屋の人々が中々戻らない常子が帰るまで夕飯を待ってくれていると「遅くなってしまって」常子が急いで帰ってきたが、残業しても仕事は終わらず、仕事を家に持ち帰ってきていた。結局、一人、夕飯も食べず二階で仕事を続ける常子は、君子達がそっと差し入れしたお握りを一口頬張り「よしっ」気を入れ直して仕事に集中するのだった。
徹夜でタイプで清書するばかりのところまで仕上げ、出社した常子がタイプを打つ準備をしていると後から出社した早乙女と多田以外の先輩達に無視され、さらに常子がしていることは本来業務ではなく、ただの雑用としか相手に思われていない。示しがつかず、今後もタイプ室自体が便利使いされる危険もあると、早乙女達に警告され、タイプの使用は認められなかった。「どうしたもんじゃろのぉ」常子が呟いていると、追い打ちに机の上の整理した常子資料をわざとひっくり返す先輩までいた。それでも常子は手書きで清書に取り掛かり始めた。
「とと姉ちゃんは心配ばかりかけるから、気苦労が絶えなくて」森田屋に再び洗ったハンカチを届けにきた星野はそう言ってくる美子に微笑んでいたが、苦労しているらしい常子を気にかけていた。鞠子は女学校で東堂に常子のことを相談したが常子は大丈夫だとして「自分の(受験)ことを考えなさい」促され「はい」と納得はしたが、時計を見て常子の仕事を気にしている様子だった。君子も同様に常子を心配していた。
会社では密かに早乙女も常子の様子を伺っていたが、常子はギリギリ作業を終え、男性社員に仕上げた清書を持っていった。しかし「はいはい、そこ置いといて。済んだら帰りたまえ、仕事の邪魔だっ」男性社員のあまり態度に、常子はやはり早乙女達が正しかったのか? と呆然とするしかなかった。
・・・キャラメルは今回こそ、ほしかったね。1ダースほどね。
徹夜でタイプで清書するばかりのところまで仕上げ、出社した常子がタイプを打つ準備をしていると後から出社した早乙女と多田以外の先輩達に無視され、さらに常子がしていることは本来業務ではなく、ただの雑用としか相手に思われていない。示しがつかず、今後もタイプ室自体が便利使いされる危険もあると、早乙女達に警告され、タイプの使用は認められなかった。「どうしたもんじゃろのぉ」常子が呟いていると、追い打ちに机の上の整理した常子資料をわざとひっくり返す先輩までいた。それでも常子は手書きで清書に取り掛かり始めた。
「とと姉ちゃんは心配ばかりかけるから、気苦労が絶えなくて」森田屋に再び洗ったハンカチを届けにきた星野はそう言ってくる美子に微笑んでいたが、苦労しているらしい常子を気にかけていた。鞠子は女学校で東堂に常子のことを相談したが常子は大丈夫だとして「自分の(受験)ことを考えなさい」促され「はい」と納得はしたが、時計を見て常子の仕事を気にしている様子だった。君子も同様に常子を心配していた。
会社では密かに早乙女も常子の様子を伺っていたが、常子はギリギリ作業を終え、男性社員に仕上げた清書を持っていった。しかし「はいはい、そこ置いといて。済んだら帰りたまえ、仕事の邪魔だっ」男性社員のあまり態度に、常子はやはり早乙女達が正しかったのか? と呆然とするしかなかった。
・・・キャラメルは今回こそ、ほしかったね。1ダースほどね。