一般人には予測不可能な災厄。正直（これは負けちゃうな・・・）という予感や、軍需施設エリアは危ないという認識はあっても、まさか有毒の核爆弾で街ごと焼き払う必要がある、とまでは誰も思わない。様々な事情や思惑が絡んだはずではあるが、当時は米軍もタガが外れていたんだろう。これに対した旧日本軍は物資も人員も外交も、まともなアテも無いのに観念的に際限なく戦線を拡大させて着地点がなかった。それでも軍自体がそこそこ強力で初期は勝てていたのが返って毒だった。米国に開戦するようハメられた、という見方もあるが、ホイホイ引っ掛かる方が悪い。侍や西部のガンマン同士の決闘ではない。道理が無い。ギャングの抗争の方がまだマシ。無力で生き残れる時代ではなかったにせよ、国単位で何年も、人間が人間以上に振る舞えると想定するのはやはり誤解があったんじゃないかな？ ドラマの主題になったピアノはこれからも保全すべきだが、特定の団体ではなく公的な施設が預かった方が良いとも思った。ドキュメントパートの芳根京子のピアノへの接し方は人としてとても正しかった。
