「社員」とは誰のことなのか?

2015年05月28日 | 日記
社会保険労務士法の中に「社会保険労務士法人の社員は、社会保険労務士でなければならない」という条文がある。

試験勉強のときは、ふーん、そうか。従業員は社会保険労務士じゃないとダメってことだな。必ず有資格者を雇用しないといけないってことか。なるほど。

と、当然のように思いました。

しかし、過去問の中に「社員」=「従業員」と考えると、どーしても納得のいかないものがありました。考えてもわからないので、見なかったこと・なかったことにしてスルーしました。

試験には社員に関係したことはでなかったのでしばらく忘れていました。

「社員」が「株主・出資者」を指すのだと知ったのはずいぶん後のことです。

社会保険労務士法だけじゃなく、法律上はすべてがそうです。

じゃあ、世間でよくいうあの「社員」っていったい何よ?

正社員だの契約社員だの、社員旅行だのの社員ていったい何なのよ?

最近じゃ、期間限定正社員だの職務限定正社員だの勤務地限定正社員ってのまであるが、これ何なのよ?(裏読みすると面白いです。)

ああ~ん???

法律上の「社員」=株主・出資者を官民一体になって、雇用されてる従業員の呼称にしてるってどうゆうことだろう?

「社員」って言葉はいったいいつからあったんだろう。おそらく(ただの推測)戦前は法律本来の意味かそれに近い意味で使っていたのじゃないだろうか。雇用される人が爆発的に増えて、高度経済成長で雇用される人の地位も上がってきたあたりから一般労働者にも使われだした…のかな?

でも、こういう二枚舌?は気に入りません。好きな人もいるでしょうけど、得意な人もいるでしょうけど、為政には必要なことかもしれませんが、姑息で好きません。

雇用されている人を「社員」と呼ぶのは、廃止にしたらいいと思います。

雇用の本質を社員という呼称で包み隠すのはいけません。

以前ママ友とランチ会をしたとき、あるお母さんが言いました。

「働くって時間の切り売りだよね」

この言葉に対し、別のお母さんは「私はそうは思わない。働くって、それだけじゃないよ」と言いました。

どっちも一面において正しいと思います。

でも、今はどちらかというと両極端になってると思います。

時間の切り売りと割り切るのはあまりに味気ないですが、働くことに喜びや意義だけを求めると、過重労働まっしぐらです。

楽しく働き、誰かのためになるのはすばらしいことですが、雇用されるということは、時間を拘束される、まさに時間の切り売りの側面があるということをしっかり認識しないと、自分を守れません。

社員=株主・出資者は時間拘束されません。

雇用される従業員を官民一体となって、せーので「社員」と呼ぶのは欺瞞です。

雇われて働くことの意味を見失わせてしまいます。

植木等の時代は終わったのです。
コメント
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