知的障害の青年チャーリーは、手術を受けて賢くなる。
どんどんどんどん賢くなる。
チャーリー自身が書いた経過報告は最初まちがいだらけのひらがなばかりだったけど、毎日の学びが反映されていて、徐々に正しい文法で書かれるようになり、やがて最高潮の水準に達する。
そして、最高潮の頭脳によって、「手術によって最高潮に達した能力はその後同じスピードで落下していく」という結論を見出す。
ダニエル・キイス原作の小説『アルジャーノンに花束を』は、映画化もされ、邦題は「まごころを君に」なんて感傷的なものがついているが、原作は何度読んでもなにかしらあらたな発見がありおもしろい。
手術後チャーリーはキニアン先生から勉強を教わる。
コンマやピリオドについて学び、得意になって経過報告のなかに書いたりするのだが、あとで文法書を読み、その意味することを正確に学び取って、自分はキニアン先生の話をちっともわかってなかった!なんて大バカなのか!って憤慨するのである。
このチャーリーの気持ちがよくわかる。
私は残念ながら賢くなる手術は受けていないので驚異的なスピードでは賢くならず、牛ですか?カメですか?ナメクジですか!!とツッコみたくなる遅々たる歩み?(ナメクジは歩かないぞ)ではあるが、法学を学びながらチャーリー気分に浸っている。
法学部法律学科に在籍しながら民法苦手…とか寝言を言っていたが、寝言を言ったところで単位が取れるわけでもなく、泣く泣く手付かずの物権法テキストを再度手に取り(一度手にしたがすぐに頓挫)、超入門と書かれたテキストでプレ学習をしてそのテキストを傍らに置いておそるおそる進んでいる。
で、思った。
テキストのしょっぱなに、物権と債権の違いがでてくる。
ふんふん、なるほど。
物権の排他性、直接支配ね。なるほど、債権は特定の人に対する請求権で、物権は物に対する支配権なんだ。
その後、物権と債権の区別は相対的である、って。
えッ。
なにそれ。
物権と債権って明らかに違うんではないの…
ああ…でも抵当権に排他性ってあったっけ?
あの順位ってなんだろう…
手術を受けていないのですぐに賢くはなれず、チャーリーのように本を読んで納得!ってわけにはいかないのが歯がゆいが、しかし、物権・債権もわからず、やれ不法行為に基づく損害賠償請求だなんだとよく言っていたものだ。
今後不測の事態が起こり、遅々たる歩みで習得したものを急速にあるいは一瞬にして失うかもしれない。
あるいは年を取って少しずつ失っていくかもえない。
それでも「わかる」という経験は嬉しい。
こどもだけにこの特権を与えておくのはもったいない。
チャーリーに負けないようにしなくっちゃ。
賢くなる手術を受けなくても自助努力でちょっとずつ賢くなるのが勉強のいいところだね。
どんどんどんどん賢くなる。
チャーリー自身が書いた経過報告は最初まちがいだらけのひらがなばかりだったけど、毎日の学びが反映されていて、徐々に正しい文法で書かれるようになり、やがて最高潮の水準に達する。
そして、最高潮の頭脳によって、「手術によって最高潮に達した能力はその後同じスピードで落下していく」という結論を見出す。
ダニエル・キイス原作の小説『アルジャーノンに花束を』は、映画化もされ、邦題は「まごころを君に」なんて感傷的なものがついているが、原作は何度読んでもなにかしらあらたな発見がありおもしろい。
手術後チャーリーはキニアン先生から勉強を教わる。
コンマやピリオドについて学び、得意になって経過報告のなかに書いたりするのだが、あとで文法書を読み、その意味することを正確に学び取って、自分はキニアン先生の話をちっともわかってなかった!なんて大バカなのか!って憤慨するのである。
このチャーリーの気持ちがよくわかる。
私は残念ながら賢くなる手術は受けていないので驚異的なスピードでは賢くならず、牛ですか?カメですか?ナメクジですか!!とツッコみたくなる遅々たる歩み?(ナメクジは歩かないぞ)ではあるが、法学を学びながらチャーリー気分に浸っている。
法学部法律学科に在籍しながら民法苦手…とか寝言を言っていたが、寝言を言ったところで単位が取れるわけでもなく、泣く泣く手付かずの物権法テキストを再度手に取り(一度手にしたがすぐに頓挫)、超入門と書かれたテキストでプレ学習をしてそのテキストを傍らに置いておそるおそる進んでいる。
で、思った。
テキストのしょっぱなに、物権と債権の違いがでてくる。
ふんふん、なるほど。
物権の排他性、直接支配ね。なるほど、債権は特定の人に対する請求権で、物権は物に対する支配権なんだ。
その後、物権と債権の区別は相対的である、って。
えッ。
なにそれ。
物権と債権って明らかに違うんではないの…
ああ…でも抵当権に排他性ってあったっけ?
あの順位ってなんだろう…
手術を受けていないのですぐに賢くはなれず、チャーリーのように本を読んで納得!ってわけにはいかないのが歯がゆいが、しかし、物権・債権もわからず、やれ不法行為に基づく損害賠償請求だなんだとよく言っていたものだ。
今後不測の事態が起こり、遅々たる歩みで習得したものを急速にあるいは一瞬にして失うかもしれない。
あるいは年を取って少しずつ失っていくかもえない。
それでも「わかる」という経験は嬉しい。
こどもだけにこの特権を与えておくのはもったいない。
チャーリーに負けないようにしなくっちゃ。
賢くなる手術を受けなくても自助努力でちょっとずつ賢くなるのが勉強のいいところだね。