韓国・文政権、首脳会談で信頼回復狙うも…識者「米は文政権を信用していない。無理だ」 トランプ氏、文氏を名指し批判の過去
2019.9.15
ドナルド・トランプ米大統領と、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が今月下旬、米ニューヨークで首脳会談を行う。トランプ氏は8月、フランスでのG7(先進7カ国)首脳会議で、「文在寅という人間は信用できない」と公言して、世界を驚かせた。韓国政府としては同盟国との信頼回復に必死のようだが、文氏の「反日・離米・従北・親中」姿勢が突出しているだけに、期待薄だ。
「相当厳しい米韓首脳会談になるのではないか」
元韓国国防省北韓分析官で、拓殖大学主任研究員の高永チョル(コ・ヨンチョル)氏はこう語った。
韓国大統領府(青瓦台)は13日、文氏が国連総会に出席するため22~26日の日程でニューヨークを訪問し、トランプ氏と首脳会談を行うと発表した。2人の会談は6月以来で、3カ月ぶり。
会談の具体的な日程は米韓政府で調整中というが、スタッフも頭を抱えているはずだ。トランプ氏が文氏を嫌悪しているからだ。
今年4月、ホワイトハウスで行われた米韓首脳会談で、「従北」の文氏が北朝鮮への制裁解除や、南北共同事業再開を求めたのに対し、トランプ氏は冷淡に否定。首脳会談は29分間あったが、トランプ氏と報道陣の質疑応答が27分間も続き、実際の会談は2分程度だった。
さらに、トランプ氏は4カ月後のG7で、その場に不在の文氏を名指しして、「信用できない」「何で、あんな人が大統領になったんだ!」と公言したのだ。同盟国の首脳に対し、前代未聞の批判といえる。
これにカチンときたのか、文氏は8月末、米国の警告を無視して、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決定し、在韓米軍基地の早期返還を要求するなど、「米韓同盟破棄」をチラつかせている。
北朝鮮との融和方針に猛反対していたジョン・ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が辞任したとはいえ、米韓首脳が関係改善できるのか。
前出の高氏は「トランプ氏は、文氏を信用していない。文氏は北朝鮮主導の『赤化統一』を狙っているが、韓国の保守派も米国も米韓同盟解消など許さない。文政権のGSOMIA破棄決定後、トランプ氏は『韓国で何が起きるか見てみよう』と語ったが、激怒している。文氏としては『GSOMIA破棄の見直し』をカードに、北朝鮮への制裁解除などで交渉するつもりかもしれないが、トランプ政権の厳しい姿勢は変わらないだろう。ボルトン氏が辞任しても同じ。信頼回復は無理だ」と分析している
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ドナルド・トランプ米政権の怒りが爆発しそうだ。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の外交・安全保障ブレーンが、米軍主体の在韓国連軍司令部を「南北統一の邪魔者」のように発言したのだ。文政権は、米国の警告を無視して日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄を決定し、在韓米軍基地の早期返還を要求しているが、朝鮮半島の「赤化統一」「レッドチーム入り(=中国陣営入り)」に向けて暴走しているのか。
「韓米同盟を生かそうとして南北関係がダメになっている」「南北関係で最大の障害物は、国連軍司令部なのだ」「韓国国民が(実態を)知れば『国連軍司令部は撤収せよ』というはずだ」
韓国の文正仁(ムン・ジョンイン)統一外交安保特別補佐官は9日、高麗大学で講演し、こう語ったという。朝鮮日報(日本語版)が伝えた。高麗大学といえば、文大統領の最側近、「タマネギ男」ことチョ国(チョ・グク)法相の娘が不正入学した疑惑が浮上している大学でもある。
正仁氏は講演会で、中国寄りの発言もしていた。中国の習近平国家主席が進める巨大経済圏構想「一帯一路」について、「地政学的なものではなく、経済的な戦略だ。米国は圧力を加えているが、文政権はいつでも協力できるという立場だ」と語ったのだ。
文政権はすでに、「レッドチーム入り」にかじを切っている。
(1)2017年10月、中国に対し、米国の高高度迎撃システム「THAAD」の追加配備はしない(2)米国のミサイル防衛(MD)体制に加わらない(3)日米韓安保協力を軍事同盟にしない-という「三不の誓い」を立てているのだ。
日米の防衛当局者の間では、
文大統領ブレーンの発言を、トランプ政権はどう受け止めるのか。
韓国事情に詳しいジャーナリストの室谷克実氏は「トランプ政権は、『米韓同盟破棄』に暴走する文政権に怒っている」といい、続けた。
「正仁氏は、文大統領が表で言えない本音を代弁している。トランプ政権は正仁氏を危険視しており、韓国大統領府(青瓦台)が最近、正仁氏の駐米大使起用を非公式に打診したが、拒否した。米国は、在韓米軍の指揮権は失っても、国連軍司令部は手放さないだろう。今後、さまざまな形で圧力をかけるはずだ。いずれ文政権は被害者ヅラして、泣きわめくのではないか。それが文政権の行く末だ」