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韓国を法治国家から逸脱させる文在寅・曺国リスク、元駐韓大使が解説

2019-09-28 09:24:25 | 日記

 

韓国を法治国家から逸脱させる文在寅・曺国リスク、元駐韓大使が解説

2019.9.18 5:30

文大統領・曺法務部長官の反撃スタート

 反撃第1弾は、検察改革である。9日の就任当日には法務部内に検察改革を進める「改革推進チーム」を設置するよう指示し、革新系弁護士団体の出身である人権局長をトップに据えた。さらに11日には検察を監査する組織の強化や、空席となっている監察本部長の任命手続きを急ぐ方針を示している。こうして検察改革を進めることで検察の行動を牽制するとともに、検察の捜査から国民の目を逸らそうとしている。

 また第2弾として、法務部次官は曺国法務部長官の捜査から尹錫悦(ユン・ソギョル)検察総長を外すことを提案した。検察側はこれを拒否したが、これは検察の捜査に介入し、曺氏にとって有利な結果を導き出そうとする動きと疑われる。

 

 加えて、曺国法務部長官に対し最も強硬に非難を繰り返してきた自由韓国党の院内代表、羅卿ウォン(ナ・ギョンウォン、ウォンの字は王へんに援の旧字体のつくり)氏について娘の不正入学疑惑を持ち出し、野党の牽制も行っている。

検察改革が国民受けする理由

 曺氏の法務部長官任命直後の世論調査結果(リアルメーター)を見ると、就任に賛成が46.6%、反対が49.6%となっており、その差は縮まっている。その要因として、ご祝儀相場であったこと、以前から政権に反対する層は世論調査にはあまり積極的に協力してこなかったことなど、種々の要因が挙げられるが、中でも最大の要因が検察改革に対する国民の期待があることである。

 その期待を高めた一つの要因が、韓国映画「1987、ある闘いの真実」(2017年公開)で描き出した検察・警察の強引な取り調べが、韓国国民に検察改革の必要性を強く印象付けたことであろう

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文大統領・曺法務部長官の反撃スタート

 

曺国氏批判の急先鋒羅卿ウォン氏への攻撃

 自由韓国党の事実上のスポークスマン役を担い、曺国氏批判を繰り返している羅卿ウォン氏に対し、同氏の娘が音楽の名門・誠信女子大学を受験した際「私の母は国会議員であるから合格させてほしい」との内容の発言をし、実技試験でも特別の配慮がなされ、最高点で突破したと批判されている。

 羅氏はこれらの疑惑は全て否定しており、真偽のほどは定かではないが、劣勢に立たされている文大統領や曺長官が、意趣返しとして羅氏のスキャンダルをマスコミに流した可能性も指摘されている。

「文在寅という災厄」「文在寅という災厄」 武藤正敏著、悟空出版刊

 韓国は12日から、秋夕(旧盆)の大型連休に突入している。しかし、検察当局は連休を返上して、捜査を続けている。政権による介入を前に、できるだけ捜査を進めておこうとの意図であろう。

 KBS放送が行った世論調査によれば、文大統領、曺長官の出身地、釜山地域の人々は曺氏任命に対し、否定的評価55.7%、肯定的評価39.4%という結果が出ている。共に民主党の支持率も全国平均38.6%に対し釜山地域は33.3%に過ぎなかった。来年の国会議員選挙に向け、与党にとってはショッキングな数字である。

 今後、政権与党vs野党、政権与党vs検察の戦いは連休明けに一層激しくなってくるだろう。秋夕の時期に地元に戻り、政治談議に花を咲かせた人々が首都圏に戻ってきた後、曺氏任命反対デモがどうなるか、検察の捜査がどこまで進むか。これに対して政権与党がどう守るか、検察改革がどのようなスピードで進むか。韓国政治から目が離せない日々が続く。

(元・在韓国特命全権大使 武藤正敏)

、検察改革である。9日の就任当日には法務部内に検察改革を進める「改革推進チーム」を設置するよう指示し、革新系弁護士団体の出身である人権局長をトップに据えた。さらに11日には検察を監査する組織の強化や、空席となっている監察本部長の任命手続きを急ぐ方針を示している。こうして検察改革を進めることで検察の行動を牽制するとともに、検察の捜査から国民の目を逸らそうとしている。

 また第2弾として、法務部次官は曺国法務部長官の捜査から尹錫悦(ユン・ソギョル)検察総長を外すことを提案した。検察側はこれを拒否したが、これは検察の捜査に介入し、曺氏にとって有利な結果を導き出そうとする動きと疑われる。

 加えて、曺国法務部長官に対し最も強硬に非難を繰り返してきた自由韓国党の院内代表、羅卿ウォン(ナ・ギョンウォン、ウォンの字は王へんに援の旧字体のつくり)氏について娘の不正入学疑惑を持ち出し、野党の牽制も行っている。

検察改革が国民受けする理由

 曺氏の法務部長官任命直後の世論調査結果(リアルメーター)を見ると、就任に賛成が46.6%、反対が49.6%となっており、その差は縮まっている。その要因として、ご祝儀相場であったこと、以前から政権に反対する層は世論調査にはあまり積極的に協力してこなかったことなど、種々の要因が挙げられるが、中でも最大の要因が検察改革に対する国民の期待があることである。

 その期待を高めた一つの要因が、韓国映画「1987、ある闘いの真実」(2017年公開)で描き出した検察・警察の強引な取り調べが、韓国国民に検察改革の必要性を強く印象付けたことであろう。

 映画「1987、ある闘いの真実」は1987年1月、当時の軍出身の全斗煥(チョン・ドファン)大統領の政権下、ソウル大学の学生が学生運動での行き過ぎた取り調べで死亡、これを警察が隠ぺいしようとしたことに民衆が反発して、国民的な民主化要求運動へと発展していく実話を描いた映画である。87年当時、確かに拷問は行われていたようだ。この学生が死亡した水攻めは、気絶するまで水につける過酷なものであり、これを受けた人は死の恐怖を感じたといわれている。

 しかし、現在はこのような拷問は行われていないはずだ。というより、民主化された社会では不可能である。この映画が公開されたのは文在寅政権になった後の17年12月27日であるが、あたかも現在も行われているかのように描写されている。

  映画の中で強大な権力に立ち向かう学生の姿を見て、検察を改革する必要性を感じた人が多かったのだろう。文在寅政権はそれを利用したと考えられる。

 確かに韓国の検察の力は強大である。一般的な捜査でも警察を指揮する。そして検察はその強大な権力ゆえに政治にも介入するといわれる。私も、韓国の国民が検察改革を進めるべきだと考える気持ちを理解できないわけではない

 加えて、文大統領が検察改革に熱心なのは、盟友である故盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が検察の捜査によって自殺に追い込まれたことがトラウマになっているのだろう政権交代した後、検察が前政権を圧迫できないようにしたいとの思いがあるからだといわれる。

 しかし、韓国の大統領が任期末に逮捕されたり、家族から逮捕者を出したりしているのは、検察が悪いとは一概に言えない。それは基本的に、韓国の社会風習が原因である。

韓国ではいったん大統領となり権力を握ると、多くの人々がすり寄ってくる。大統領が応じなければ、大統領の身内にすり寄る。大統領に力があるうちは不正が暴かれることはないが、大統領の力が弱まってくると、途端に手のひらを返すように攻撃する。特に文政権は過去の保守党政権に対し徹底的に弾圧してきたので、その報復を恐れているのであろう。

 いずれにせよ、こうした社会風習を背景とした不正を摘発する検察を改革するためには、疑惑がないクリーンな人が当たるべきである。しかし、曺国氏は「玉ねぎ男」と言われるほど疑惑だらけである。そのような人が行う検察改革は決して韓国にとって良い改革にはならないのではないだろうか。検察改革という言葉に魅了され、曺国氏をめぐる疑惑から目を離してはならない。

文政権は議会と行政組織、軍、裁判所、言論を抑え込んでいる。これに加えて検察も抑え込めれば、自分の思うように国政を動かせると思い込んでいる。実に危険な状況である。

曺国氏の疑惑隠しに検察総長外しを模索

 曺氏の疑惑を調査する検察チームのトップ、尹錫悦検察総長は司法試験を9回失敗し、10回目に合格した苦労人であり、朴前大統領の大統領選不正疑惑では検察上層部と対立し、地方の高検検察庁のヒラ検事に降格された人物である。その件について後日国会で問われ、「指示が違法なのにどうしてそれに従うことができるのか。私は人には忠誠を誓わない」と答弁した逸話がある。

 

裁判所は政権の意向には背けず

尹氏が検察総長に任命されたのは、「崔順実(チェ・スンシル)ゲート」で特別検察官のチームリーダーを務め、朴前大統領を弾劾に追い込んだからである。文大統領は任命の際、「大統領府でも与党でも『生きた権力』に厳しく臨んでほしい」と訓示を与えた

 しかし、その言葉がブーメランのように返ってくるとは思わなかったのであろう。文大統領は保守政権を崩壊に導いた尹氏であれば、文氏の路線に協調すると考えたのであろうが、尹氏は特定の政治信条に基づくよりも法と正義を実践する人だ。それは恐らく尹氏が中央特捜部で公職者の汚い部分を多く見てきたため、これを一掃しないと社会が良くならないと確信し、これを是正する使命に燃えることを見落としていたのであろう。

 

 法務部は次官が最高検察庁に電話し、曺氏をめぐる疑惑の特別捜査チームを作って捜査することを提案した。これは事実上、特捜チームが尹氏への報告、尹氏から指示を受けるのをやめよということである。野党の自由韓国党は早速法務部の職権乱用であると非難した。

裁判所は政権の意向には背けず

 捜査妨害はこれにとどまらない。ソウル中央地裁は、検察から請求があった投資ファンド代表の逮捕状を棄却した。棄却の理由は「容疑をほとんど認めており、証拠が収拾されているので、逮捕の必要がない」というものである。曺氏関連の事件で証拠隠滅が疑われる事態が再三発生しており、同ファンドの事実上のオーナーは捜査を逃れて海外に身を隠していることを考えれば、逮捕状棄却は通常であれば考えられない。

 ただ、この投資ファンドの事実上のオーナーは、曺氏のおいであることを認めている。裁判官は苦渋の決断だったに違いない。現政権下では、政権側に不利な判断を下した裁判官は不利益を被ってきたからだ。何らかの指示があった疑念を払拭することはできない。

 その後、ファンドの事実上のオーナーは帰国し逮捕された。これは検察の反撃である。事実の解明に進むことが期待される。

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曺国氏批判の急先鋒 羅卿ウォン氏への攻撃

 自由韓国党の事実上のスポークスマン役を担い、曺国氏批判を繰り返している羅卿ウォン氏に対し、(曺国氏側として)同氏の娘が音楽の名門・誠信女子大学を受験した際「私の母は国会議員であるから合格させてほしい」との内容の発言をし、実技試験でも特別の配慮がなされ、最高点で突破したと批判されている。

 羅氏はこれらの疑惑は全て否定しており、真偽のほどは定かではないが、劣勢に立たされている文大統領や曺長官が、意趣返しとして羅氏のスキャンダルをマスコミに流した可能性も指摘されている。

「文在寅という災厄」「文在寅という災厄」 武藤正敏著、悟空出版刊

 韓国は12日から、秋夕(旧盆)の大型連休に突入している。しかし、検察当局は連休を返上して、捜査を続けている。政権による介入を前に、できるだけ捜査を進めておこうとの意図であろう。

 KBS放送が行った世論調査によれば、文大統領、曺長官の出身地、釜山地域の人々は曺氏任命に対し、否定的評価55.7%、肯定的評価39.4%という結果が出ている。共に民主党の支持率も全国平均38.6%に対し釜山地域は33.3%に過ぎなかった。来年の国会議員選挙に向け、与党にとってはショッキングな数字である。

 今後、政権与党vs野党、政権与党vs検察の戦いは連休明けに一層激しくなってくるだろう。秋夕の時期に地元に戻り、政治談議に花を咲かせた人々が首都圏に戻ってきた後、曺氏任命反対デモがどうなるか、検察の捜査がどこまで進むか。これに対して政権与党がどう守るか、検察改革がどのようなスピードで進むか。韓国政治から目が離せない日々が続く。

(元・在韓国特命全権大使 武藤正敏)