先輩たちのたたかい

東部労組大久保製壜支部出身
https://www.youtube.com/watch?v=0us2dlzJ5jw

「フランス労働者に続け!」の横断幕と故田中さんの思い出!

2022年10月19日 07時00分00秒 | 大久保製壜闘争

上・2006年5月1日メーデー東部労組デモ
先頭にたつネクタイ姿の田中さん。じゅんさんも井桁さんも元気です


写真・パリで今月16日、物価上昇に抗議するデモ

製油所労働者は賃上げを求め数週間にわたるストを決行中
労働組合は18日からのゼネストを呼びかけています

 今フランス労働者が決起しています。ネットでフランス労働者の闘いを見るたびに今は亡き田中さんと「フランス労働者に続け!」のスローガンを思いだします。

 2006年の春、当時のフランスのド・ビルパン首相が、雇用問題の焦点であった若者層の新規採用をめぐって、いわゆる「初期雇用契約制CPE」(16から25歳の若者採用にあたり、使用者に2年間の理由説明抜きの解雇権の自由を保証する)導入をはかってきました。労働者と学生・市民は猛反発し、フランス労働者の全土でのゼネスト決行と連日の100万人を超える大デモと暴動で法案撤回を実現させるという労働者・学生側の大勝利の闘いがあり、全世界の労働者と若者に大きな勇気と感動を与えました。

 この年の5月1日メーデーに向けて東部労組執行委員会は、「フランス労働者に続け!」のスローガンを決め、横断幕に掲げました。この時のメーデーのデモの写真には、大久保製壜支部のネクタイ姿の田中組合員が先頭に立っているなつかしい姿があります。 
 このメーデー10日前の4月21日、定年を向かえた大久保製壜支部組合員の田中さんと障害者の再雇用を拒否してきた会社大久保製壜所に対して争議全面解決以来10年ぶりの闘いを決意し、田中さんを先頭とする大久保製壜支部をはじめ東部労組各支部と地域の仲間105名が工場前に押し寄せ、工場一周デモや労基署、ハローワーク交渉など必死に闘います。メーデー後の5月8日、田中さんと障害者の仲間たちの定年後の再雇用制度を勝ち取りました。

動画・田中さん再雇用闘争! 4.21大久保製壜所社前アピール行動(2006年)
なつかしい方が次々と現れます
 

 フランス労働者の勇気に励まされた東部労組は、この年、多くの活動や闘いを精一杯奮闘しました。
2006年の東部労組
1月
https://blog.goo.ne.jp/19681226_001/m/200601
2月
https://blog.goo.ne.jp/19681226_001/m/200602
3月
https://blog.goo.ne.jp/19681226_001/m/200603
4月
https://blog.goo.ne.jp/19681226_001/m/200604
5月
https://blog.goo.ne.jp/19681226_001/m/200605
6月
https://blog.goo.ne.jp/19681226_001/m/200606
7月
https://blog.goo.ne.jp/19681226_001/m/200607
8月
https://blog.goo.ne.jp/19681226_001/m/200608
9月
https://blog.goo.ne.jp/19681226_001/m/200609
10月
https://blog.goo.ne.jp/19681226_001/m/200610
11月
https://blog.goo.ne.jp/19681226_001/m/200611
12月
https://blog.goo.ne.jp/19681226_001/m/200612

敵の巻き返しと2009年ゼネスト
 フランスでは、その後も資本家階級と政府は、労働者に対し大巻き返し攻撃を仕掛けてきます。2007年に就任したサルコジ大統領は雇用・労働政策の面での大幅規制緩和、たとえば超過勤務手当にかかる所得税・社会保険料の軽減措置により、超過勤務を促進して労働時間の延長を容易にし、またフランス的慣習を破って法的に日曜労働を可能にするなど、これまでの労働者階級の闘いで実現していた「週35時間労働制」の実質的な骨抜きを図ってきます。また、労働者のストライキへの規制、特に公共交通機関に、ストで運行ダイヤの混乱が予想される場合にも最低限の運行を義務付ける法律を立案、この法律はまた、スト前の労使交渉実施の法的義務付け、スト参加者には48時間前のスト参加意思表示の義務付けや、また、65歳未満での定年制度の廃止や年金前倒し受給への課税強化、中高年失業給付受給者についての求職活動免除制の段階的廃止などの政策もあり、フランス労働者が長年積み上げてきた権利と生活を脅かすものでした。フランス労働組合と300万人労働者は、再び2007年10月から11月にかけてのフランス全土に及ぶ大ストライキをはじめとして、2009年統一ゼネストと全国的デモを決行します。
 この年のストライキは、パリの現代美術館ジョルジュ・ポンピドー芸術文化センターにも始まり、印象派作品の収蔵で名高いオルセー美術館、ロダン美術館がこれに続き、12月3日にはルーブル美術館へと広がり、ついにはベルサイユ宮殿にまで及びます。さらには文化省管轄の諸名所たとえば凱旋門やノートルダム寺院の鐘楼、サント・シャペル教会なども職員のストライキによって閉鎖されます。

フランス労働者と市民の連帯
 フランス市民の多くが労働者のストライキに対して不満をもらすことなどありません。フランス革命を誇りとするフランス労働者はストライキこそ労働者の当然の権利であり、むしろ市民自身がストライキやデモに積極的に参加します。

資本の巻き返し
 フランスと同じ、その後の大久保製壜所でも繰り返し、巻き返し攻撃が行われます。会社からの巻き返しは、労働者側の勝利の後、会社は必ずやってきます。勝った労働者は決して油断してはなりません。〈資本の論理〉の中には「反省」という言葉は決してありません。あるのは「今度はうまくやろう」だけです。

田中さんの死
 大久保製壜支部の田中さんは、再雇用闘争に勝利した翌年の2007年9月に急病のため亡くなりました。職場の障害者や仲間たちにあれほど愛された田中さんの突然の死に、大久保製壜支部や東部労組組合員がどれほど哀しんだことでしょう。私は、あの年、田中さんが先頭になって掲げた「フランス労働者に続け!」の横断幕を本当に誇りに思い、今でもフランス労働者の闘いを知るたびに田中さんとあの時の「フランス労働者に続け!」のスローガンを思いだします。



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