老犬を飼ってみて思うことその1で書いたけれど、こなつは大人しくて穏やかな犬だった。
ツレアイが「前の飼い主は、いい飼い主だったんだろうね。よく根気よく躾けたんじゃないかな」と言った覚えがある。
こなつの肝機能が悪いので定期的に動物病院に通った。
そんな中、先生にツレアイがした話をした。
「いい飼い主と言えるかどうかわかりません・・・」と先生は言いよどんで微妙な表情をした。
恐らく放置されていたような様子が見受けられるらしい。
こなつが保護されたのは真冬の果樹園があるあたりの雪穴の中。保護されて、飼い主は現れなかったそうだ。
フィラリアに罹っていたこなつ。
要求鳴きをしないこなつ。
遊びを知らないこなつ。
他の犬とほとんど触れ合っていなさそうなこなつ。
もしかしたら・・・。
果樹園に繋がれっぱなしの犬がいると聞く。
番犬として置いておかれるそうだ。
繋ぎっぱなし。
散歩もなし。
時折、残飯を与えられるのだろうか。
他の犬とも触れ合うこともないだろう。
他の動物は威嚇するべきもの。
人間と遊んだこともないかもしれない。
そこから逃げ出せて雪穴に落ちた?
その時に飼い主を呼んだだろうか?
わからない。
違うかもしれない。
そうかもしれない。
わからない。
最後はみんなに見守られて愛されたこなつ。
それでいい。