風呂屋にて…

八戸の風呂屋さんで
昼間の小一時間を過ごした…

途中で入ってきた男の子は
障害があるのか
もしくは病気や事故なのか
四肢が動かず
着替すらも自分では出来ず
父親が付き添い
全ての介助をしておられた…

髪を洗い体を流し
背中に背負い湯船へと運ぶ…
見ているだけで
涙の流れる様な無償の愛情…
同じ事を
赤の他人が出来るだろうか…

しかし子供はやがて
父親よりも体が大きくなり
そして親亡き後も
生きて行かなければならない…

それだけに
父子の絆が心に突き刺さる…

阿光坊古墳群(後)…

八六九年 陸奥大地震が起こり
九一五年 十和田の火山が爆発
同時期 白頭山でも噴火
これ以後この周域で
人々が暮していた痕跡は無い…

陸奥大地震と度重なる火山活動…
それは千年周期の大地震と
それに誘発された噴火と言われ
その千年前にも大地震があり
千年後には二年前
東日本での大地震が起きている…

阿光坊古墳群(前)…

おいらせ町…
辺りには長芋畑が広大に広がり
農家のおばさんが
収穫の為に芋を引っこ抜くと
幾つかの色石がパラパラと零れ
よくよくガン見すると
穴の空いた綺麗な勾玉だった…
それがこの古墳群の発見である…

それは
古代のこの土地の居住者である
蝦夷民族の統率者達の墓であり
同様の墳墓は
倭の支配地と重ならない
北東北や北海道石狩川流域まで
おもくそ広くに分布する…

今まで見つかっているだけでも
百二十四基もの墳墓があり
更に地下には
未だに多くが眠るとされている
この一大文化圏
しかし人々はその後
歴史から忽然とその姿を消した…

気分屋の三村さん…

今日の気分は
如何で御座いましょう…

豆腐屋さん…

車で通りかかった豆腐屋のおばさんが
手作りの豆腐をひと盛りくれた…
僕はその夜それを湯豆腐にして食べた…

豆腐の旨さもさる事ながら
湯豆腐もこの土地の人もとても暖かい…