高安ミツ子
フェルメール・ブルーに咲いた
あじさいは
限りなくやさしい水面の鏡のようです
見上げると雨上がりの虹が
青空に橋をかけています
下り坂の私の風景にも虹が見えると
神様が虹を渡ると思えるほどの
無邪気なひとときが流れます
通り過ぎた風景をはかるように
日常の針を動かすと
生きるために呑みこんだあまたの感情が
虹色の付箋を付けて私の物語ににじんでいます
まいまいつぶりが
私の心を描くようにあじさいに揺れています
今日の愛おしさを小さな虹にして
コーヒーに溶かしてみたくなりました