~私の72候~ 芒種 末候 梅子黄(うめのみきなり)
(新暦6月16日~6月20日)
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四十雀(しじゅうから)が梅雨を運んできたようにさえずっています
庭の紫陽花は雨にぬれて
誰かにことづてを伝えるように
いっぱい いっぱい咲いています
今日の紫陽花は私の機嫌をくすぐり
私の物語をつなぎあわせ
とっておきのショパンを聞かせてくれます
花びらを一枚とって
遠い人を思い出していると
カタツムリが
ぬれた紫陽花の葉にレールを引いていきました
ふとあの日の匂いが
あの日の風が
のみ込んだあの日の思い出が蘇ります
色づいた梅の実がポトンと落ちて
私の残された時間を知らせています
紫陽花は雨の滴を静かにはらい
雨にぬれた梅の実は
梅雨に顔をこづかれたように熟れています
梅雨に咲く紫陽花
優しい時間を見ているはずなのに
今年は哀しく思われるのは
あいたい思い出が増えてしまったからでしょうか
四十雀がまた鳴いて
こみあげてくる私の感傷は
紫陽花色に染まってゆきました
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梅雨に季節になり紫陽花の花が美しく咲いています。
我が家の庭も真っ盛りです。家の中の。仏壇や床の間
や各部屋に紫陽花を飾り何か思い出が一度に溢れて来
るような優しい時間を感じています。
朝になるとシジュウカラやホトトギスやスズメの鳴き
声が聞こえてきて心がなごみます。夫が鳥の巣箱をつ
くりました。巣箱には「空き家、賃貸料無料、小鳥さ
んどうぞ」と書いて紅葉の木にとりつけましたが、
どうして、どうして巣箱は今も空き家です。
先日、千葉市立美術館で歿後60年 椿貞雄の絵画展を
見てきました。椿は麗子像で有名な岸田劉生に師事し
た画家です。椿の絵は岸田劉生に似ている作品が多い
と感じましたが後半になって描かれた子供や、孫や、
冬瓜(とうがん)の絵には麗子像とは違った日常の温
かさと穏やかさがありました。椿が到着した独自の世
界は私を幸せな思いにしてくれました。現実の日常と
は確かに厄介なところもありますが生きるとは、そう
いうことなのでしょう。ですからなおの事、椿貞夫の
描いた絵にはここち良さを感じました。そして、おそ
らく、この画家自身が表現するうえでも、また人とし
ても幸せだったのではないかと思えたのです。
お知らせですが2002年11月 夫 高安義郎が出版し
た詩集「母の庭」が
2017年6月韓国の詩人で翻訳家「イムナヒョン」さん
によって翻訳され出版されました。
感謝したいと思います。
(2017.7.4)
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