だんだんと田舎者になってゆく。
田舎者という言葉以外に、もっとしっくりとくる言葉があるかもしれないけれど。
じゃあ以前は都会者だったのかというと、そういう事でもない。
たとえば何か本性のようなものが、内から現れてくるような気分だろうか。
それまではどうだったかというと、たとえば目の悪い人が目が悪いにも関わらず、何の不自由も感じないまま何十年も生きてきたような気分だろうか。
最近よく想像するのは、自分がいろんな著名な方にインタビューをするというもので、想像の中で僕はつねに勉強不足を痛感しているのだ。
しかし、そういう状態でもなんとかインタビューを続けたい。
ご家族の事を聞いてみようか。
趣味は何?。
それとも生い立ちから語ってもらおうか。
結局はそれ以上進まず、インタビューはいつも尻切れトンボ。
しかし最後の記念撮影だけは忘れない。
ただ会って「頑張ってください」とか言って、握手したいだけなんじゃねえの?と思う。
無駄だよなあ。
ホント、無駄。
あと、たまに地図帳広げて、自分の住んでる辺りをじっと見ることがある。
じっと見ながら、顕微鏡でないと分からないような自分が、そこにいると想像する。
地図帳から想像する自分は、行動範囲が狭すぎて、ほとんど動かない単細胞生物のように思えてくる。
つまりは、それを田舎者と言ってみたのだった。