騙し、裏切り、陥れた、ことを否定し続ける理由が、妻、知り合いからのアドバイスがあったのだろう、認めれば、将来地方公務員として叙勲、表彰の障害になるからだろう、友人を装い、近づき、なり替わって、恋人に、うそをいい、絶望させ、あきらめさた、もしかしたら恋人は明日をあきらめていたかもしれなかった、西面さんが水内さんでありますように、との、過去のうっかり書いてしまった一文だろう、私が知らないところで何を彼女に行ったかを示していた、将来の自分の名誉のため、本当のことは表に出すわけにはいかない、どんな手段を使っても、どんなことがあっても、叙勲があれば、自分を筆頭に家族の名誉、既成事実が作れる、にじみ出る、隠し切れない感情、これも一つの生き方なのだろう、私は、彼女に対して申し訳ない、くやしさ、おのれの愚かさ、が湧き上がってくる。それでも、仕返しをしようとしてはいけない、怨念が跳ね返ってくる、ただ過去の事実として受け入れるだけ。私は別の航海をしています、彼女はもう前を向いて進んでいる、私は必要ない。午後は家の中、外周りのかたづけ、日曜日に、お客様が来る、少しでも、きれいにして迎えたい。布団を干している、曇ってきたので空の様子を見にサンデッキに、同時に、木から、小さなセミが西方向へ飛び立った。私には、彼女が流す涙を知る必要があった、自分が流す涙だけにとらわれていた、彼女をうれし涙であふれさせるのが役目のはずだった、