心を消すことができるだろうか、心を残すことのほうが多い、この人生で、愛したのはたった一人の女性、学生時代の彼女だけ、忘れようとしても忘れられないことは十分に分かった、心が残っている、ほんのわずかな短い期間、貴重な時間、かけがえのない時間、消すことはできない、運命は自分で選ぶようにできているのだろう、彼女は、私はあなたとともに航海に出ました、と書き記した、私との運命を選んだ、私は宴会の時に、それとなく友のふりをして私に近づいてきていた男の思惑の運命を選んでしまった、生まれ持った性格、学校教育などで培ったものの見方、とらえ方、それまでの経験を基にしたやさしさ、運命を選ぶ判断基準が人によって違う、私も彼女と共にする航海を選んだ、航海の途中で濃霧の中へと運命を変えてしまった、人の思惑で、自分で考えることをしないで、人の言葉に惑わされて、彼女の言葉の真意を理解しないで、自分が進もうとしていなかった運命を選んでいた、あなたはあなたの航海をしてください、と言われた濃霧の先にある、ありえない、昼ドラマの世界のような、まさかと思うような、耐えられない、想像さえできない世界、現実を進むしかない運命、今も進むしかない航海、一般の人は経験することのない、過酷な、折れそうになる、萎えて消えそうになる心で続ける航海、無駄なことだ、無意味なことだ、私だけで十分だ、