彼女はなぜ手島に酒を注いだのだろう、会場にいる私を含めた全員に誤解されるのに、私の知らない間にそういう仲になっていたのだろうか、私の言葉を聞くよりも彼の言葉を信用する仲になっていたのだろうか、確かめようもない今になっては、何もわからない、わかっているのは私と彼女は宴会の後恋人同士ではなくなったという事実、同級生であったという事実、手島に酒を注がなければ一生を共にできたのに、彼女の持つ運命なのだろうか、私は宴会場までの役割でおしまいだったのだろうか、事実は、そうなっている。私が納得できるできないは関係ないのだろう、私の運命は彼女を必要としていたが、彼女の運命は私を必要としていなかったのだろう、たった一献で私が必要とした彼女が私を必要としなくなったことを私に教えたのだろうか、彼女がよこした、あなたはあなたの航海をしてください、は別れた理由を一生かかって探しなさいということなのだろうか、
早朝5時15分地震で目が覚めた、横揺れ、千葉県南東沖?が震源、二週間くらい前から、地震に備えて、できるだけ二階で寝るようにしている、その日の直感で一階で寝ている時もあるが、どちらが、安全かわからない、ここは小高い丘を造成した場所、がけ崩れの心配はない、高さ100メートルの津波でも来ない限り心配ないと思う、お向かいのご主人が健康のため、自転車で近隣を走り始めたと聞いた、私も真似してみようか、学生時代の彼女は美人で思いやりのある女性だった、私に近づき、友人を装い、だまして彼女を横取りしようとする男が出てくるくらいの女性、一時的に、悩み、苦しみ、つらい思いをしただろうが、幸せになる女性、私は、だまされ続け、うそをつかれ続け、裏切り続けられる男、気づくことが遅く、今も同じことを繰り返している、珍しいだろうが、さみしくても私は一人でも過ごせる人間、私に近づき、だまし、陥れる人間とは縁を切ることにした。お風呂マットを日干しに出しにサンデッキに出ると、鳥が二羽、電線へ飛び立った、巨峰でも食べていたのかもしれない、電線に仲良く並んだ二羽、夫婦だろう、うらやましい、少しの間眺めていた、