ゆっくり行きましょう

気ままに生活してるシニアの残日録

国立近代美術館「TRIOパリ・東京・大阪モダンアート・コレクション」展を観に行った

2024年07月06日 | 美術

東京国立近代美術館で開催中の企画展「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」を観に行ってきた、チケット事前購入で2,000円、この日は平日で朝から雨のためか来場者はそれほど多くなかった、外人さんが結構来ていたし、若い人も目立った。主催は出展した3つの美術館、日本経済新聞社、テレビ東京、BSテレビ東京

美術館では、この企画展の狙いを「パリ市立近代美術館、東京国立近代美術館、大阪中之島美術館のコレクションから共通点のある作品でトリオ(TRIO)を組む、主題やモチーフ、色や形、素材、作品が生まれた背景など自由な発想で組まれたトリオ、総勢110名の作家の150点あまりの作品で34のトリオを組み、それをテーマやコンセプトに応じて7つの章に分けて展示、20世紀初頭から現代までのモダンアートの新たな見方を提案し、その魅力を浮かびあがらせる」と宣伝している。

今回の展示のポイントであるトリオでの作品展示のイメージを持ってもらうため、わかりやすい一例で説明したい

この写真は、「Ⅳ 生まれ変わる人物表現」の中のトリオ番号15番の作品、15のテーマは「モデルたちのパワー」

  • 左は、マティス「椅子にもたれかかるオダリスク」(パリ近代美術館、1928)
  • 中央は、萬鉄五郎「裸体美人(重要文化財)」(国立近代美術館、1912)
  • 右は、モディリアーニ「髪をほどいた横たわる裸婦」(中之島美術館、1917)

トリオ展示の上のかなり大きなホワイトパネルにトリオと作品の説明が書いてある、これは文字が大きくて見やすかった

ほかの展示も一つの切り口で3つの美術館から持ち寄った作品をワンセット(トリオ)で展示している

確かにユニークな試みと言えよう、モダンアートと言っても20世紀初頭からの作品なので、抽象絵画的な作品ばかりでなく、日ごろなじみのある作家の作品も多く、楽しく観れた。パリ市立近代美術館は行ったことがないが、大阪中之島美術館は一度訪問したことがある。

この企画展は一部作品を除き、写真撮影OKであったのは評価できる。鑑賞した作品でよかったと感じたものは多くあったが、その中から一部、写真を撮ったものを紹介したい。


1、佐伯祐三、郵便配達夫、1926(トリオ番号、作者、作品名、制作年)、昨年観た東京ステーションギャラリーでの「佐伯祐三展」(こちら参照)にメインで展示されていた作品、その時は写真撮影禁止だった


1、安井曽太郎、金蓉、1934


2、小出楢重、街景、1925


3、ユトリロ、セヴェスト通り、1923


7、ユトリロ、モンマルトルの通り、1912


7、佐伯祐三、レストラン、1927


8、ラウル・デュフィ、電気の精、1953


13、有元利夫、室内楽、1980


20、小倉遊亀、浴女その一、1938


23、カレル・アベル、村の上の動物たち、1951


26、菅野聖子、フーリエ(プロコフィエフ束の間の幻影)、1978、なぜプロコフィエフが出てくるのか?


30、菊畑茂久馬、ルーレット、1964

良い作品がいっぱい展示してあった。展示作品の中には先日アーティゾン美術館で観たブランクーシや、東京都美術館で観たデ・キリコの作品もあった。


14、ブランクーシ、眠れるミューズ、1910


14、デ・キリコ、慰めのアンティゴネ、1973

今回、この展覧会の運営面について、作品情報の説明の文字が大きかったこと、展示室内に休憩や鑑賞用の椅子が置いてあったこと、写真撮影がOKであったことなどが評価できると思った。

観に行く価値がある展覧会だと思った



最新の画像もっと見る

コメントを投稿