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「アンドレア・シェニエ」ウィーン国立歌劇場ストリーミングで鑑賞する

2025年01月31日 | オペラ・バレエ

ウィーン国立歌劇場が先日亡くなった演出家オットー・シェンクを追悼して彼の7作品を無料で配信していたので、その中から「アンドレア・シェニエ」を選んで鑑賞してみた、日本語字幕付きが有難い、収録日は April, 29, 2018

作曲:ウンベルト・ジョルダーノ(Umberto Giordano、1867年-1948年)
指揮者: マルコ・アルミリアート(Marco Armiliato)
演出: Otto Schenk

出演:

マッダレーナ・ディ・コワニー/アンニャ・ハルテロス(Anja Harteros、1972、独)
アンドレア・シェニエ/ヨナス・カウフマン(Jonas Kaufmann、1969、独)
カルロ・ジェラール/ロベルト・フロンターリ(Roberto Frontali、1958、伊)

ベルシ(召使) /イルセヤル・ハイルロワ(Ilseyar Khayrullova)
グレフィン・ディ・コワニー(伯爵夫人) /ドナ・エレン(Donna Ellen)
マデロン(老女) /ゾリヤナ・クシュプラー(Zoryana Kushpler)
ルーシェ(シェニエの友人) /ボアズ・ダニエル(Boaz Daniel)

あらすじ

フランス革命の頃のフランス。革命志向の詩人アンドレア・シェニエはロベスピエールの恐怖政治の魔の手中に陥り、反革命の容疑をかけられる。彼の運命は、若い貴族の娘マダレーナ・コワニーと元侍従ジェラールの運命と密接に絡み合っている。二人ともマダレーナを愛し、マダレーナはシェニエを愛している。しかし最後には死が待ち受けており、アンドレア・シェニエとマダレーナ・コワニーは共に断頭台に向かう

感想

  • やはりオットー・シェンクによる演出は良かった、奇をてらったところが全くなく、実にオーソドックスな演出で楽しめた、こういった演出がシェンクらしいのでしょう、フランス革命時の話なので舞台上で3色のフランス国旗がさりげなく使用されている場面が何回かありにくい演出だと思った、そして最後でシェニエとマッダレーナが2人そろって人力車のようなものにのせられて処刑場に連れていかれるところで幕となるが、露骨でない演出で品があってよかった、最近の意識高い系演出家にやらせたらとんでもない場面にするのではないか
  • このオペラは普段あまり見ないので論評するだけのものは持っていないが、ストーリーがわかりやすく、かつ、悲劇のロマンスというだけでなく、終わり方が劇的なので悲劇があまり好きでない私でも楽しめた、こういう終わり方は「トスカ」と共通するところで、最後で盛り上がるところが良い

  • そして、何と言ってもこの作品の主役の二人、タイトルロールのカウフマンとマッダレーナのハルテロスが素晴らしかった、美男・美女の組み合わせで歌も二人ともすごかった、うまかった、最高の組み合わせだ、この舞台を観た人は最高の思い出になったのではないか、というのも、実はこの二人は公演をキャンセルするので有名な歌手だからだ、キャンセル男・キャンセル女と揶揄されているらしい、そういう意味でウィーン国立歌劇場は良くもこの二人の大物をアサインしたものだと感心した、劇場側は開幕までと開幕後も毎日ハラハラしていたのではないか
  • 第3幕目にマッダレーナが革命軍で出世した元召使のジェラールのところにシェニエの命乞いに行く場面で、ジェラールが「自分はあなたが欲しい」とマッダレーナに迫る場面のいつくかの二人のセリフが露骨すぎると思った、曰く、あなたのブロンドの髪の海にこの手を沈めたい、私の体であの人が救われるなら奪いなさい、私は瀕死の体どうぞ奪いなさい私はもう死んでいる、など

存分に楽しめました



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