昨夜は日本モーツアルト協会の演奏会に行ってみた。会場は東京文化会館小ホール。但し、私はモーツアルト協会のメンバーではなく、東京文化会館の公演情報から選んだコンサートが偶然モーツアルト協会の演奏会だったと言うことだ。
出演はエール弦楽四重奏団でメンバーは以下の通り
- ヴァイオリン:山根一仁、毛利文香
- ヴィオラ:田原綾子
- チェロ:上野通明
演目は2曲だけで、6時45分開始、休憩を挟んで終了は8時半、チケット代は5,000円で全席自由。
- 弦楽四重奏曲第18番 イ長調 K464
- 弦楽四重奏曲第19番 ハ長調 K465 「不協和音」
会場は9割方埋まっていて思っていた以上の盛況だった。客層は平日夜にもかかわらずシニア層が多かったように見えた。やはりモーツアルトファンは多いですね、私もそうですけど。シニア層が主たる鑑賞者なら昼間の時間に開催してもらいたいがどうだろうか。
出演者はチェロの上野通明以外は知らない人だったが若手で頑張って演奏していた。ヴァイオリンの毛利さんは赤いドレス、ヴィオラの田原さんは白のドレスを着て紅白の組み合わせは新年はじめのコンサートをお祝い気分にしてくれる粋なコスチュームだった。前半と後半でヴァイオリンの2名の座る位置が交替されていた。
この弦楽四重奏はハイドンセットと呼ばれているもので全部で6曲あるうちの2曲だ。プログラムによれば当時は貴族から市民階級に音楽の聞き手が拡大される時期で、仕事の後や合間に集まって音楽を聞いて楽しい時間を過ごすためにはある程度まとまったロットの曲をワンセットにしてうんと楽しみたいと言う意識があったとある。今回の2曲は私のCDコレクションにはなく、初めて聞く曲だったが良い曲だった。
私はNHK交響楽団など大きなホールを満席にできる楽団の公演にはあまり行かない。私は日本のクラシック業界の発展を願っており、少しでもそれに貢献したいと思っている。その一つの形としてあまり人気のないと言っては失礼だが集客に苦労しているだろうと思われる講演会を選んで行くようにしている。東京文化会館のこの小ホールでも半分くらいしか埋まらない演奏家も少なくない。人気があるかどうかはチケット代を見ればわかる。5千円前後の価格設定しかできない演奏会はまだ有名になっていない演奏家のもので集客力もない、しかし、そこで演奏している人たちはおそらく若い頃から厳しい訓練を積んで優秀な成績で音楽大学を卒業して、自宅で音楽教室などもしながら少ない公演機会に向けて懸命の練習を積んでいるに違いない。私はそういう演奏家たちを応援して業界の底上げに貢献したいのだ。今回の演奏者は4名ともコンクール入所経験がある人たちで結構有名な方々であろうが曲数が少ないので5,000円と安い値段なのかもしれない。これからファンを増やしていくためにはTwitterやYouTubeなどを駆使したマーケティング戦略も必要でそういったノウハウをアドバイスする業界団体なども必要だろう(あるかもしれないが)(角野隼斗氏などはYouTuberでもあるのだろう)
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