当店のある泉亀ビルから少し南へ行ったところに、かつて祖父亀太郎が銘木の修行をした銘木問屋の「泉平」だった場所があります。
私の両親に話を聴くと、丁稚として入った祖父亀太郎は、「かめきちどん」(呼び方は、かめきっとん)と呼ばれながら修行した
そうです。
その後、出世して手代となり、やがて番頭として、店の経営の一部を任されるまでになったそうです。
そして、50歳を過ぎて、独立して、当店のあるこの場所で、「泉亀」を開きました。
ですので、「泉平」で過ごした時期は、祖父亀太郎にとって大変だったとともに、感慨深いものだったと思います。
その泉平があった場所に、そのご家族の方が永く、お一人で、お住まいでした。
私の父も自治会の副会長として、失礼のないように、お世話をさせて頂いておりましたが、先日、永眠されたとのお話を聴きました。
お一人でお住まいだったので、その後、どうなさるのだろうと思っていましたら、その実弟の方が、父を訪ねて、ご挨拶にお見えになり、
父に御礼を述べられました。
そして、「母も姉もこの地でなくなったので、この地は手放さず、守っていきます。」とおっしゃったそうです。
自治会内では、住む方が無くなったら、土地や家屋を売却されるケースがほとんどですが、そうおっしゃって頂いて、何だかホッと
しました。
これで、祖父亀太郎が修行した場所であり、「泉亀」が生まれるきっかけとなった地が残ることになりました。
一番、ホッとしているのは、祖父かもしれません。
【工芸品ショップ泉亀(1いずかめ)】ショップサイト
http://www.izukame.com