私自身、30代の頃に比べると、最近は、あまり自己啓発系の書籍は、読まなくなった気がします。
もうこの歳になるとある程度、考え方が固定してしまうからでしょうか。
30代の頃は、自己啓発本と謂われるものも書店で購入して、たくさん読んでいた記憶があります。
月に3~4冊ぐらいのペースで読んでいた時期もありました。 むさぼり読むという感じでしたね。
まあ、書店で選んだ本で、一冊読んでみると、同じ著者の本ばかりを選んで、読んでいたようです。
他の著者の本も視点は違えど、似たような内容が書いてあったように思います。
その中で、何冊か続けて読んでいたのが、「江口克彦」という方の著書です。 経営の神様といわれた松下幸之助氏の秘書を長く経験し、
その後、PHP研究所の社長を務め、現在は、国会議員として活躍されている方です。
非常に分かりやすい文章で、秘書の立場から松下幸之助氏と接した体験談なども著書の中に多くあります。
そんな中で、松下幸之助という経営者は「決して独裁的な決断は下さなかった」という人物像をうかがい知ることが出来ました。
江口氏によると、松下幸之助氏の口癖は、「君はどう思う?」だったそうです。
社長業なので、常日頃、決裁を求められ、重要な決断の連続だったと思うのですが、必ず、人の意見に耳を傾け、身を乗り出すように、
人の話を聴いていたそうです。
そして、「その話は、他の人から聴いた。」とか「自分もそう考えていた。」ということは決して言わなかったそうです。
また「時間が無いので、またにしてくれ。」と言うこともほとんどなく、アポなど約束が無い時は、最後まで、人の話をじっと真剣に
聴いていたそうです。
そして、自分と同じ考えであっても、「君の考えは凄いな。よし、それを採用しよう。」と相手を褒めて、まるでその人の考えを
採用したように決裁を下し、経営をすすめていったそうです。
そのようにして、相手を褒め、人の意見を取り入れ、社員や周りの多くの人から信頼され、尊敬されるようになっていったそうです。
簡単なようで、松下幸之助氏のようには、なかなか出来ないものですよね。
どうしても、人は、「自分の意見を主張したがる。」「自分の考えが正しいと思ってしまう。」「人の話を途中で遮ってしまう。」
「人の話より自分の都合を優先してしまう。」「自分は褒められたいが、相手を褒めようとしない。」「人には意見を言うが、自分に
意見を言われるとムッとする。」などの行動をしてしまいます。 挙げればキリがありません。
私も人に色々とアドバイスを求める反面、「批判されたくない」「認められたい」という気持ちがおのずと働いてしまいます。
しかし、少しずつ「自分のために意見を言ってくれているんだ、有り難い。」という気持ちを誰に対しても、持てるようになっていきたい
と意識しながら、努力を続けています。 まだまだですけど・・・。
デール・カーネギーの言葉で、「人の話を聞くことにより、人生の80%は成功する」というのがあるそうです。
「聴く力」を身に付ける努力、非常に難しいですけど、それが出来れば、素敵な自分になれると信じて、実践していきたいと思います。
【工芸品ショップ泉亀(いずかめ)】ショップサイト
http://www.izukame.com