10月5日
1週間前のこの時間
震災で半壊になったこの家と永遠のお別れの時を刻み
台風があがって来ている土曜。
雨が降りしきる中に、さあ、最後。お迎えが来ました。
静かに眠る姿を目に焼き付けて。
丁寧に部屋から外へ出してくれて、車の中へ。
ふと気が付くと。
あ!。
3年お世話になった感謝いっぱいの場所の前を通ってくださっていました。
曲がりくねった坂道を静かにゆっくり進んで。
だんだん車ともすれ違わなくなり。
ここです。着きました。と。
山を切り開いたような澄み切った空気の中に白い建物。
一歩ずつ歩を進めて、お水で最後の最後のお別れ。
2日間お世話をしてくださった中田さん。
ありがとうございました。
出逢えて本当にありがたかった。
2時間半。
ひっそり、待ちます。
この空気を吸っていたい。
1時間程。なんだかもう、ここには居ない・・・そう感じました。
お昼だよ。
食事、一緒にと思うけど、ここには・・居ない、よね。
ミックスサンドが好きだったね。今日は、ひとりで、食べます。
紅茶も好きだった。ひとりで、飲みます。
でも、ひとりで・・と思ったら、サンドイッチを手にとって驚いた。
あたた・・かい。卵が温かった。
小さな喫茶店の厨房には3人の70歳くらいの女性が調理をしていました。
家庭で作るミックスサンドのよう。
心が嬉しさで温かさでいっぱいに、なりました。
ひとりじゃない。
温かいサンドイッチ、とっても美味しかったです。
レジの前で、お礼をいいました。
よかったです。と優しい柔らかい笑顔で答えてくださいました。
ふと、誰かに呼ばれたように感じて視線を上げたら
ん?、あれは何・・・
手前にある電灯だった。でも、あたしには
煌々と優しく輝く満月
に、みえました