家に帰ると
ネコが脱走した!という騒ぎが
起きていた
私が親戚を送り帰ってくるまでの
たった30分もかからない外出
それがどれだけ
彼らの不安をひきおこすのか
今回身にしみた
パニックになった家族
ネコが本当に出てしまったのかさえ
わからない
でも
彼女がそれを望んだので有れば
それも仕方ないことだと
諦めて、家に入ろうとしたら
玄関に向かって小さなネコが走ってくるのを
みた
外ではあまり見かけない
ふっくらと毛艶がいいネコが
玄関の前で戸惑うように
廻りをみまわし
「入口はここ?なんで開かないの?」
というそぶりを見せたので
慌てずゆっくり近づいていって
ドアを開いたら
すっと家の中に入って行った
安堵の中
久しぶりに外出して
楽しかった?
と
尋ねてみた。
何も言わず
ゴロゴロ言って
やたらとついて回る
今も膝の上にいる
どれだけ
私がいないと不安なんだろうか
私など
と
思っていたけれど
いなくちゃならん
存在なんだ
かけがえのないもの
今 こんなふうに
ネコや家族といながら
こうして
かけがえのない
ヒトが
忽然といなくなっている
家族が
どれだけ
たくさんあるだろう
ことに
おもいをはせた
こんなに
かけがえのないもの
たとえば
幼いこどもが何人もいるお母さんだとか
稼ぎ頭のお父さんだとか
誰かの大切な息子
やっと一人前になって来た30代
とか
いなくちゃならんひとが
ある日突然
そんなことを
思うと
有耶無耶にしてはいけない
この
かけがえのない存在を見ながら
つよく
思った。