母に、洗濯物からくっさいニオイが拡散したときの話をした。
柔軟剤に含まれるニオイカプセル(ナノサイズのプラスチック)
従来よりも少ない香料で、持続的な香りを感じさせるもの
要するに、PM2.5みたいな小さな粒子が
鼻腔の奥の嗅球にくっつくということか。
肺とか。鼻腔とか。いろんな粘膜に
香り分子が蒸散しないで、プラスチックの極小の粒子にとどまっているので
香りを持続的に感じると言うこと
それは同時にマイクロ プラスチックが
肺胞やその他の身体の粘膜に取り込まれて残留することも意味する
海洋汚染が問題になっているマイクロプラスチック
それ以上に小さな プラスチックが、身体の中に漂う
その粒子が、非常に細かい繊維構造をもつ特殊な下着などに吸着すると
なかなか粒子がとれないので
異様にニオイが残留する。
それで、その下着だけが強烈に匂ったんだという話をした。
すると母は、
「人間はニオイのつけものだね」
「においのつけもの」
と言いながら
漬物をつける「てつき」をした。
それが、みごとで、思わず感心しながら笑ってしまった
つけものをつける 微妙なてつき。
すくなくとも10kgくらいの漬物を、大きいたるとかペール容器につけるときの手つき。
私が真似しようとしても、真似できない手つき。
その表現力に感心してしまった。
やったことがない人には表現できない。
そういえば 渥美清が「学校」という映画に八百屋のオヤジ役で一瞬だけ出たんだけど、あのシーンが印象に残っているのは、オヤジが漬物をつけていた手を払う動作なんだよね、てについた漬物の汁を地面にはらう。
あの動きは、やったことがあるか、やったことがなくても「どうしてあの動作になるか、道理がわかってないとできない」と思うんだよね。
今の私たちの生活はあまりに便利になりすぎて、実際に手足を動かしてなにかをすることが少なくなっている。
実は人間の脳味噌はそれだけで発達するのではなく、体の動き、皮膚、神経、筋肉、関節の動きと密接に関わりあっている。動かないで勉強だけしてれば頭が良くなるというものではなく、目で見て、真似して動くという繰り返しが必要になってくる。動かなければ脳も発達しないのだ。
だから、昔の人たちの能力が高いのは生活上のいろいろなことを身体をつかってしていかなければならなかったからだ。今の生活では脳も身体も十分に育たない。
漬物の話にもどる
人間は ニオイのつけもの
そう聞いて
ツボのなかに無数の人間がニオイとともに漬けられている様子を
すぐに想像してしまった。
洗濯物の匂い、というだけでここまで広まり深まるのが、なんとも面白い。