以前から、外国人のフィギュアのヘッドを作れるか?と問い合わせが何件もあり、今も作りかけている物が有るのですが、このヘッドの製作が、意外なほど手こずります。
製作していて、自分ではこのくらいで良いだろうと思っても、発注主様がもっとこんな形に、とか、色々注文が来るのでなかなか進まなかったりします。
特に外国人は、本人に出会った事もないし、どんな顔の作りかわからないというのが本音ですが、頼まれた以上作らなければなりません。
以前に製作した物ですが、
こんなフィギュアです。
誰とは言いませんが、今ひとつ特徴がない。
案外不細工な芸人の様な顔は非常に作りやすい。
作る時に特徴を多少デフォルメしてやればかなり似てきます。
しかし、「イケメン」は一番難しい。
作れば作るほど分からなくなります。
いわゆる、「ゲシュタルトの崩壊」ですね。
みていると似ているか似てないか分からなくなってきます。
本当に難しいですね。
上の写真の顔は、微妙に顔が歪んでいます。
本人の顔が歪んでいたので、そのまま製作しました。
笑顔の状態でという事だったので、注文通りに仕上げました。
素材は、キャストで複製した顔の素体をベースにスーパースカルピーを盛って、粘土ヘラで整形しました。
スカルピーの粘土が非常に素直に変形してくれるので思った通りの形状になるのですが、なかなか似てこないんですね。
散々こねくり回して、最終的に写真をパソコンで重ねて目鼻口の大きさや位置を確認しました。
なかなか上手く行かなかったのですが、途中で一度スカルピーを固めようと、オーブントースターで加熱しました。
この様に棒を付けてトースターに入れますが、フタを解放したまま熱を加えます。
表面がちょっとしっとりとした艶消しになったら大体大丈夫です。
焼けてない時は、ちょっと湿っている様な感じに見えます。
艶消しになれば大体大丈夫ですが、油断すると先端の細い部分とか、薄い部分が焦げる時があります。
焦げて身形が変形していなかったらそにまま使えます。
熱が冷めたら、各部分を確認し、手直しが必要ならまたスカルピーを盛って直します。
その時、ラッカーシンナーのような溶剤で盛り付ける部分を濡らしておけば粘土の食いつきが良くなります。
散々修正してなんとか形になったので、今度は形取りとキャストによる複製です。
これがまた面倒な作業になります。
続く!
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