もう何年も前ですが、広告代理店の仕事をしている知人から、「本物に見える蝶々を作れるか?」と問い合わせが有りました。
「多分作れる」と返事はしたものの、実際出来るのかどうか?分かりませんでした。
先ずどんな蝶々を作るか?
やはり「アゲハ蝶」が一番有名か?と思い、製作の段取りをしましたが、資料が少なく、形状がわからない。
それなら、実物を捕まえよう!という事です、虫取り網を買って、野原まで行って取りました。
実物の「アゲハ蝶」です。
写真が無いので紹介できませんが、その実物から採寸し、羽の模様をPCでトレスし、ペンタブレットを使い、ドット画で羽の模様を手書きしました。
どんな物になったか、これです。
羽部分はパソコンのプリント用紙(スーパーファイン紙)です。
羽に筋が有りますが、これはゴムの板の上に羽を置き、粘土ヘラで、線を引く様に押し付けて筋を入れました。
ペンタブレットで点描して鱗粉の感じに描きましたが、やはり印刷感が残ります。
そこで、スプレーノリを羽に軽く吹き付け、化粧品のラメを薄く塗り込みました。
これでだいぶ粉っぽく成りました。
体の部分は、「スーパースカルピー」という粘土で作りました。
このスカルピーは、油粘土の様な質感で、ヘラによる整形が非常に楽です。
ヘラで押さえるだけで、思った通りの形になります。
整形が終わったら、オーブントースターで焼くとカチカチになります。
その後、真鍮線で足や口を作りました。
体の毛は脱脂綿を絵の具で着色し、発泡スチロール用の接着剤で貼り付けました。
塗装は、タミヤのアクリル塗料です。
触覚の先端の膨らみは、ラッカーパテを溶剤で溶かし、それを爪楊枝ですくって塗りつけました。
どうでしょうか?
本物に見えるでしょうか?
これをショップのディスプレイに使えるかという事でしたが、結局、コスト面で無理という事でボツになりました。
ま〜、こんな物でも作れるという事が分かったので、また一つ賢くなったかな?