Guitars On Broadway

洋楽とエレクトリックギターの旅路

BOSS BD-2W

2015-07-09 14:19:31 | PEDALS

発売当初から使用していて数年に1回はメインになるBD-2。これ1台でもいいし、隠し味的に使うのも良しと大人対応型のペダル。それをメーカーのBOSS自身がモディファイした「技WAZA CRAFT BD-2W」なんていうものをリリースしたものですから無視は出来ません。設計過程等はメーカーサイトで確認できますがかなり凝って作りこまれているのがよくわかります。

サウンドはミニSWのスタンダードモードが従来のBD-2という解説ですが明らかに違います。BD-2WのSモードはコンプ感が低めでよりピッキングの反応を鋭くした感じです。その時点で既にハイエンドの雰囲気がありGAINとTONE調整で従来の感じにも作れます。ギターのヴォリュームの反応がシャープになりピッキング強弱の再生能力が上がっています。カスタムのCモードはローエンドがファットになっていますがミッドは滑らかな増幅でかなりおいしいポイント。モディファイモノにありがちなわざとらしくないスマートなチューンが素晴らしい。CモードはGAINの調整でかなりの質感を変えられ、ギター、ジャンル、アンプを選ばない領域までの完成度。恐れ入りましたという感想です。ハンドワイヤードのチューブアンプを倍音豊富にクリップさせるなんていうハイエンドな使い方からトランジスタアンプまでオールラウンドですが大味なところが無くどの部分もツメが効いてます。ツインリバーブやマーシャル、シングルコイルやハムバッカーのどれにも絡んでくる歪はメーカーが本気を出すとこうだというのを少し見せた感じですね。

歪に関しては突き詰めれば詰めるほど本質と全体像を見失うときもあります。とかくギタリストはここぞのリードトーンに焦点を絞りますがバッキングやカッティングと両立させるポイントは盲目になりがち。バンドアンサンブルで存在感を保ちつつも出し引きを自由にできる操作技術、センスが重要になります。その弾き手のダイナミクスに素早く反応するのがいいペダルとなるのですが、ペダルの個性は薄まり販売上のウィークポイントが無くなるという逆転現象も発生しやすい。そのあたりはハンドワイヤードやこだわりのパーツ、有名ギタリストの使用等で付加価値を付けていくしかありません。価格ももちろんスペシャルになっていきます。そのさじ加減をどのあたりでチョイスするかです。

チューブアンプとの相性といってもアンプの仕様は様々。ブログのように個人の意見は責任は全くないし,YouTubeの音もアテにならない。となると自分で柔らかい視点でバンドの生音で試すしかありません。しかし、このBD-2Wは部屋で小音量でも良さが確認できる久々のヒット作です。

リイッシュをしないBOSSなのでやはりトーンの隅々まで改良されています。あえて初代OD-1と比べるとOD-1は平面的でミッドレンジ付近の一部の帯域の歪で懐かしい古いオーバードライブという印象。実際の現場での使用はやはりペダルは新しい方に限ると最近痛感します。ペダルのビンテージ信仰はお金の無駄使いというのもありますが現に一流ギタリストはみんな新しいボードですしね。


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