小さなビニール製ポットに植えたサクラソウが40鉢ほどある。
昨年暮れに急死した義母の忘れ形見の一つである。
義母は山野草をはじめ色々な植物を植えてはいたが、気が乗った
ときしか手入れをしない人だったので生命力のあるものだけが生き残り、
丹念に手入れする必要のあるものはみな枯れていった。
ただ枯れる数より植える方がまさっていたので鉢の数は増える一方で
狭い庭が植木鉢で埋め尽くされ、いったいどうするのだろうと心配して
いたのだが心配はなくなってしまった。
このサクラソウも例に洩れず毎年数を減らしていった。今年は数十年ぶりの
異常寒波によりゴムの木やアロエ、ランが枯れてしまったこともあり、義母の
急死で手入れもまったくしなかったので全滅したのではないかと思っていた。
ところが個々のポットから次々と芽が出て全体で20鉢あまりが生き残った。
もう1週間もたてばそれぞれが桜のような可憐な花をつけることだろう。
「……あるじなしとて 春な忘れそ」というのはかの有名な道真の和歌。
こちらは「あるじなくとも 春な忘れず」……である。
ことしはちゃんとした素焼の植木鉢に植え替えるとしますか…………。
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