忙中閑話

四季の移ろい、花鳥風月を楽しみつつ
趣味はミニチュア木工、電子工作、旅行など

田沢湖を経て角館へ (東北旅行No.4)

2013-05-16 | 旅行
    4月末に行った東北旅行を行き先ごとに分けて書き始めたがなかなか筆が進ま
   ない。キーボード入力なのでタッチが進まないと言った方が妥当かもしれないが
   兎も角、5/2に起稿して既に2週間にもなる。
   遅れるのに従って道中の記憶や現地で感じた事柄などもだんだん不確かになって
   きた。



 4/19盛岡で石割桜と啄木新婚の家を見物したあと、国道46号線を西走し角館に
向かう。盛岡から県境を超えて角館まで65km、岩手から秋田へと県が変わるが
車で1時間半ほどの距離でしかない。意外と近い。

盛岡中心部から国道46号をしばらく西に走って山間部に入ると雫石町の表示がある。
雫石といえば約40年ほど前に全日空機と航空自衛隊の戦闘機が空中衝突して多数
の死者が出たところだ。確か航空自衛隊側はパラシュートで脱出したものの全日空
機は高度8000mの上空であっという間に空中分解して100人以上の乗員、乗客全員
が死亡したはず。
8000mの上空で突然空中に投げ出された人たちの恐怖は如何ばかりだっただろうか。
当時、映像ニュースがあまり流されなかったのか、あるいは忙しくてニュースを見る
暇がなかったのか映像での記憶はまったくないが”雫(しずく)”という文字が余り
に印象的で事故の記憶が鮮明に残っている。
落葉樹の林に雪がうっすらと積もっていていっそう寒々しい。

さらに奥羽山脈を登るにつれて雨がみぞれ模様に変わってきた。峠の下を貫く仙岩
トンネルというトンネルの入口付近では完全に雪になった。

このトンネルが完成するまでは標高が900mもあるつづら折りの峠を超えていたよう
だが今は標高600mほどのトンネルを一気に抜けることができ、あっという間に秋田
県である。

秋田県側はもう仙北市。角館は合併により仙北市角館町となったらしい。もうゴール
の角館まですぐだがここで一旦田沢湖に立ち寄ることにする。山や湖の自然風景が
大好き人間としてはぜひ見ておかなくてはならない。

田沢湖は日本一水深が深いことで有名であり、最深部の標高は海面下になるらしい。
また最近は酸性化で絶滅した田沢湖固有のマスの一種クニマスが以前放流したことが
ある富士五湖の西湖で生き残っていたことがわかったということで話題にもなった。

仙北市役所付近で国道から右手に折れて田沢湖方面に向かう。
田沢湖は思いのほか広い。周囲の山々は雲に隠れているものの対岸はくっきりと
見えた。
日本一深い湖なので真っ青な湖面を想像していたが、意外にもまるで海辺かと
見まがう広い砂浜もある。多分湖水浴場でその先は深淵になっているのだろう、
砂浜から先の湖水の色は急に青みが増している。

湖岸沿いの道路をゆっくりと時計回りに半周すると湖岸に金色の「たつこ像」が
建っているのが見える。十和田湖の「乙女の像」はたびたび目にするがこちらは
当地にきて初めて知った。「たつこ」は田沢湖誕生を神話化した伝説の人のよう
だが余りに現実的な像ではあった。


ここで急にしぐれて一時的に吹雪のようになった。「たつこ像」前の土産店には
中国人と思われる一団が観光バスを仕立ててやって来ていた。多分レッドチャイナ
ではなく台湾系のグループだろうが心なしか寒そうに見えた。

たつこ像が建つ湖岸から田沢湖を離れ旧羽州街道を南に下る。しばらく車を走らせる
とすぐに角館。

桜並木で有名な武家屋敷をそのまま車で通り抜け、角館駅前の観光案内所に。
家人は観光地では必ずと言っていいほど真っ先に観光案内所を探す。観光情報を手に
入れるためだが、今回は”観光パスポート”なるものをくれた。観光スポットでスタ
ンプを貰うとなにやら特典があるらしい。

角館の桜は残念ながらまだ蕾み。東北は南北に長い。どうもこの寒さで桜前線は
宮城、山形で足踏みしている。

昼食は武家屋敷にまた戻り近くの蕎麦屋へ入る。なかなかの有名店であるらしい。
メニューの筆頭に武家蕎麦とありお勧め品のようであるが中味が判らない。
そこで若い女性店員を呼んで確認したら、前掛けのポケットから小冊子のメモ帳
のようなものを取り出してそれを見ながら説明してくれた。聞くと、勤め始めたばかり
で今日が初日だという。初々しさがまたいい。おまけに色白の秋田美人。
あまりに可愛いので顔ばかり見て肝心の説明は頭に入らなかった。でも蕎麦は蕎麦
、やはり武家蕎麦を注文した。


ちょっと早いがホテルにチェックインするとフロントで「樺細工伝承館」と「新潮社
記念文学館」の共通入館券をくれた。ホテルに車を置いて、武家屋敷を散策すること
にする。武家屋敷は南北に1km余り。散策には丁度いい。
両サイドの桜並木は開花0%


まず、樺細工伝承館。桜の樹皮を材料の表面に貼って装飾するもので、細やかな細工
に驚く。

次は武家屋敷のうちの「石黒家住宅」。
財務関係を取り仕切った上級武士ということだが、主家の佐竹北家本体が3000石
というので豪商の大邸宅などと比べるとやはり見劣りする。
亀の彫り物のある欄間


母屋と庭の大木


桜の開花にはまだ程遠く人通りも少ない。早々にホテルに戻る。
徒歩5分ほどのところに角館温泉がありゆっくり足を伸ばした。久しぶりに浴槽に浸
かった。

最後に角館の観光ポスターから

今年はダメだったが、来年の桜のシーズンにもう一度チャレンジしたい。







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