忙中閑話

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国宝級の結婚???   歌舞伎役者の人間国宝に疑問

2013-02-16 | 随想
 先日TVでニュースを見ていたら”国宝級の結婚”と銘うって歌舞伎役者・尾上菊之助の婚約会見の中継があった。

相手は同じく歌舞伎役者・中村吉衛門の四女とのことで、普通芸能ニュースは見ないですぐチャンネルを変えるのだが”国宝級の結婚”とは何だろうとしばらく見ていたら菊之助の父親である尾上菊五郎と新婦の父親である中村吉衛門が共にいわゆる人間国宝なのだそうである。

菊之助という役者は、以前姉の寺島しのぶと共演した対談風のCMを見たことがあるが、どこか眠そうな目をしているのに、それでいて整形した二重瞼のようなパッチリした輪郭の目がなにやらアンバランスで、今ふうにいえば少々「キモイ」感がしてチャンネルをすぐ切り替えた記憶がある。ほどなくしてそのCMは放映されなくなったところをみるとやはり評判があまりよくなかったのだろう。

美男、美女である菊五郎と藤司純子を両親に持つのでパーツはいいのだろうがバランスが悪いと全体がおかしくなる典型といえば言い過ぎだろうか。

婚約会見や菊之助のことはバラエティーと思って見なければそれで済む。しかし以前から少々違和感を感じていたのが歌舞伎役者の人間国宝。正式には「重要無形文化財の所有者、継承者」というそうで、歌舞伎が国の伝統芸能の一つでその継承者だという理由からだろう。彼らにとっては多分端金だろうが年間200万円の奨励金も付与されるらしい。

3歳頃から厳しい稽古を積んできたというが、それならフィギュアの浅田真央、卓球の福原愛も負けてはいまい。一流のアスリートなら厳しい節制をし激しい練習にも耐えている。ならば歌舞伎役者が人格者かと言えば、婚約会見での両方の父親のインタビューを聞いてもただの芸能人。暴力沙汰で問題を起した市川海老蔵は「自分は将来は人間国宝」だといって相手に酒を強要したと聞く。酒を飲んでいたとはいえこれが多くの歌舞伎役者の本音であろう。そして若気の至りというか「隠し子」を持つ者も何人かいる。

そもそも歌舞伎が伝統芸能だというが果たしてそうだろうか。そもそもは戦国時代の「出雲の阿国(おくに)」が発祥で「河原乞食」と蔑まれ、時にはいかがわしい商売もしたのではないだろうか。それが他に娯楽の少ない江戸時代に大衆芸能として受け継がれ現代に至っている。はでなクマドリの化粧、あでやかな衣装に大掛かりな舞台装置、囃子に謡曲、これらがミックスし日本特有のものとして一部の外人に受けているだけのようにしか思えない。

それに比べて仏像や建築物などの国宝などは理解できる。なんと言っても歴史あるモノには時間という広がりがあり、先人達の影が感じ取られるからだろう。

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