韓国ドラマは哲学的感性を刺激する

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続・堀江氏メール疑惑

2006-02-26 05:00:00 | 情報セキュリティ
 先日話題にした堀江氏のメール疑惑の問題ですが、その報道を見ていると何か論点がずれていると感じられて仕方がありません。

 当事者たちが問題にしているのは、あくまで「メールと思われるもののプリントアウト」です。メールそのものではありません。メールそのものは電子データですので手にとって指し示すことができません。

 プリントアウトを問題にしてあれこれその信憑性を云々してもまるで意味がないのです。その意味で、そもそもこのプリントアウトが本物かどうかということをあれこれあげつらっても仕方ありません。電子データとしてのメールが存在していたかどうか、そして存在していたのならその内容はいかなるものであったのか、その2点が問題なのです。

 ここに電子データという形式の情報の特徴が見て取れます。それは、目に見えません。手に持ってさわることもこともできません。また、オリジナルとコピーの区別もありません。データとして複数存在する場合、どれがオリジナルかということを証明することができません。

 本来なら電子メールは電子署名付きで暗号化された状態で保存されているときのみ、それが真正なものかどうかを吟味することができるのです。いったん目に見える形で紙にプリントアウトされてしまったものは、それ自体では全く何の証明にも証拠にもなりません。

 そのことを前提にしてこの議論をすべきなのに、どうでもいいようなことをあれこれあげつらうのは貴重な時間の無駄遣いです。国会の場で真剣に討議することなど税金の無駄遣いと言われても仕方がないでしょう。

 しかし、この問題で多くの政治家が時間を割かれ自民党と民主党の党首討論の主要な論点にすらなってしまいました。このような状況を見ていると私は歯がゆくてなりません。この問題に関して、誰かきちんとした知識を持った人が関係者にレクチャーでもして、この問題の行き着くべき先を示すべきなのです。

 民主党は自民党の一部の議員からこのプリントアウトをガセネタ呼ばわりされて憤慨しているようですが、このプリントアウトを示しただけでは上記のガセネタという指摘は正しいのです。単なる怪文書の一種であるとしかいいようがありません。もしこれがビラの形で世間に流布していたとしたら単なる怪文書として週刊誌ネタになって終わりだったのではないでしょうか。なまじ電子メールの形をとっていたのであたかもそれだけで信憑性が増したと思われてしまったのかもしれません。

 しかし、ITの知識があれば電子メールの方がよほど信憑性がないということが簡単にわかるはずです。手書きにしろ、ワープロで印刷されたにせよ、通常の怪文書はその出所や書いた人間についての手がかりをその文書自体から得ることができます。しかし、メールのプリントアウトではそれも不可能です。

 今回の一件は、情報セキュリティにおける電子データの取扱について、また電子データというものがいかなるものであるかということを、あらためて考えるのに良い題材となりました。

 情報セキュリティ対策を立てる際は、この電子データの性質を良く理解することが非常に重要です。

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