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ルール破りの信念

2006-03-20 05:00:00 | 情報セキュリティ
 札幌市のマンション耐震強度偽装問題で、計33棟の偽装を認めた浅沼良一・2級建築士の問題です。

 自分の信念にしたがって、自分の設計に自信があるから偽装を行ったという記者会見を見ました。本人は自分の考え方、設計能力に自信があると発言していますがこの問題は設計がいいか悪いかの問題ではなく、建築設計上のルールを守るか守らないかの問題に過ぎないということを、本人が自覚しているのでしょうか。

 どんな職業にでも業務遂行上守らなければならないルールや手続きがあります。たとえば警察官が人を逮捕する場合の手順を考えてみてください。これを守らず、一人の警官の「信念」にだけ基づいて誰かを逮捕していいものでしょうか。逮捕するには法律に基づいて種々のルールをふまえなければなりません。これを、一警官の信念だけで逮捕されてはたまったものではありません。

 今回の事件もこれと同じことです。建物の建築設計を行う場合にもいろいろな法律の規制があり、きちんとした建物を建てるための、社会的に認められたルールがあります。それを意図的に無視し、自分の信念だけで建物を設計されて、万が一その建物に不具合が発生した場合、誰がどうやって責任をとればいいか、浅沼建築士は理解していたのでしょうか。

 百歩譲って自分一人ですべての責任をとれるのならまだしも、建築設計の仕事は数え切れない人に影響を与える仕事です。ルールに則らない設計にしたがって建物を建ててしまった建築会社、またその完成した建物の利用者、この人たちを巻き込むことになるのです。

 建築によって守られるべき生命財産ももちろん大切ですが、このような社会的な影響が大きい仕事をしているという自覚がこの建築士にはあったのでしょうか。自分の信念では大丈夫と言われても、万が一の場合責任を取れるわけでもないのにルール破りをしてしまうメンタリティを、私は疑問に思います。

 セキュリティ対策の現場でも同様のことがいえます。理由もなく自分の勝手な理屈で決められたルールを破る人は珍しくありませんが、自分のその行動が他人にどのような影響を及ぼすのか、もう少し想像力を巡らせて考えてみてほしいものです。自分一人がよければいい、自分の考え方は正しい、そのような根拠のない思いこみは最も排除すべきものであって、決められているルールには根拠があるのです。

 自分勝手な信念によるルール破りの顛末を今回の事件から学ぶことができます。

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