電飾に灯がともる頃には、男たちの間にも緊張が高まってくる。
通りに一堂に集結した山笠は、競演会開始の合図を待っている。
昨日の朝は、突然い湧いたようなクマゼミの大合唱で起こされた。
あぁ夏が来た。まだ、目覚めてない体が暑いよと言っている。
これから、2か月の間、クマゼミとともに起きなければならない。
付き合いたくはないが、ベッドにいても暑いから起きないと仕方がない。
山笠が通りをかけていく、男たちが勝ちどきを上げるように咆哮する。
交差点では山笠がくるくると回る。
暑い夏が来る予感が、くるくると頭の中を駆け巡る。